グローバル人材を目指す英語と思考のブログ

“ふつうの人”とグローバルをつなぐ英語と思考

TED Talksで学ぶ英語とこれからの「動機付け」について

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今日はTED Talksよりダニエルピンクさんの「Suprising Science of Motivation」(やる気に関する驚きの科学)を紹介したいと思います。ここでのScienceとはBehavioral science(行動心理学)で、社会行動心理学とモチベーションのつながりを紹介したTED Talksです。問題が複雑化する現代社会のビジネスにおいてどのようにモチベーションを設定するかについてです。2009年のTED Talksなので内容的には現時点で一般的に認識されているアプローチなので表題にあるように”Suprising”とまではいかないですが、結構早口な割には内容もわかりやすく、ビジネスに役立つ英語の言い回しも多いので面白いと思います。また、細かい部分は結構難しいですが、全体を把握するのはそれほど難しくないと思います。全体の構成がきちんと分かれているのでその点を注意して聞いてみましょう。リンクしたバージョンはきちんとした日本語訳がついているので、一度日本語字幕なしで聞いてから日本語字幕を確認すると内容がよくわかると思います。ではまず(最初の10分だけでもいので)聞いてみましょう!

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動画名:ダニエル・ピンク 「やる気に関する驚きの科学」

全体の把握はなんとなくできましたでしょうか。導入部、心理学テストについて、心理学テストを使ったケーススタディー、そこから導き出されるビジネスにおけるモチベーションのあり方で構成されていますね。「The candel problem」と呼ばれている心理学テストやケーススタディの部分は動画を見ながら聞けばわかると思います。ケーススタディーのあたりからはキーとなる単語がわからない とちょっと難しいかもしれませんが、文脈から推測できればもうロコグローバル英語上級ですね。全体の内容は日本語字幕で理解したほうがいいと思いますので、今回のブログではキーとなる単語やビジネスに流用できる表現、ちょっと背景の説明が必要な部分を中心に説明したいと思います。 ではパートごとに解説をしていきたいと思います。

 導入部 アメリカ人の自虐ネタ (0:00)

最初の部分ではこの方がロースクール(法科大学院)行ったことがわかります。ロースクールについてはまったく詳しくありませんが、日本と同じように弁護士になるための学校ですね。ただアメリカでは弁護士の顧客獲得競争は非常に熾烈で且つ一般的には日本ほど地位も高くないとよく聞きます。そのことを前提に聞くと”youthfull discretion”(若気の至り)の表現で笑いをとっているのがわかりますね。TED Talksだけでもよく欧米人が自虐的ネタで笑いをとっています。日本の劣等感的な自虐ネタとは本質がちょっと違うとは思いますが、このように笑いをとることも多いですね。またこの流れで”Ladies and gentalmen of the jury”(では陪審員のみなさん)と法廷っぽく始めていますね。

ロウソク問題 あなたは解決できる?(2:00)

ロウソク問題についての説明が始まります。多分見たことがある方も多いと思いますが、まずこのロウソク問題ではどのようなタスクが課せられたかわかりましたでしょうか。”Here is how it works"(こういうことです、説明します)というフレーズは覚えておくといつでも使えそうですね。単語でThumbtacks(画鋲)がでてきますが、動画を見ながら出あれば画鋲とわかると思います。Thumbは親指なので「親指で押すからこんな単語なのか」とわかればもう忘れないと思います。次に多くの人が考える解決策が2つ提示されます。一番目の「画鋲でロウソクを壁に刺す」という案は画鋲という単語がわかれば問題ないですね。次の「蝋をたらしてロウソクを横向きにつける」ですがなんとなくわかると思いますが、”Adhere”(接着する)という単語は非常によく使いますので覚えていきましょう。。最終的には5~10分位で皆さんが解決策を思いつくようですね。”figure out the solution"(解決策を見つける)の”figure out”は重要熟語ですが、「なんとか考えてひねり出す」イメージですので、ビジネスシーンでよく使われます。解決策は動画をみれば視覚的に十分理解できると思います。このテストでなかなか解決策を見つけれなかった理由は”functional fixedness”で「機能的固着」と訳されていますが、物の機能を限定して見てしまっているのですね。

「ロウソク問題」を使った実験 なにが人を動機づけるのか?(3:00)

次にこのろうそく問題を使ったケーススタディについて説明があります。最初に”This shows the power of incentives"といっていますが、ここがわかれば次に「インセンティブ、モチベーション」の話になることが想定できますね。インセンティブはここでは「動機付け」が一番近いですね。まず2つのグループに異なった条件が与えられます。ここででは一つのグループには「解決までに 平均でどれくらいの時間がかかるかを調査するので」と依頼します。”Norm”は「規範、基準、標準」といった意味でよく目にします。もう一つのグループには「早く解けたら報酬を与える」という条件下で行います。報酬は数字の説明がありますが、次のような言い方もビジネスでよく使われるので見ておくといいでしょうね。”If you are in the top 25% of the fastest time, you get 5 dollars"。このような表現は日本語と条件の語順が逆ですので語順が大事ですね。結果は報酬のグループの方が3分半長くかかったという結果でした。これはおかしいという言い方を”This makes no sense"と言っていますが超頻出ですのでそのまま覚えましょう。また”That's not how it’s suppose to work”(そんなはずはなし)という言い方は”suppose”(思う、察する)という単語をいれるとぐっとコミュニケーションの質があがるので覚えておくといいと思います。また、これは異常数値ではなく、40年以上も繰り返し計測された結果と言っています。”abberation"(異常、逸脱)は品質管理のお仕事の方は一度は耳にするでしょうね。結果的にこの実験により報酬がインセンティブにならないという行動心理学での最も大きな発見だったが、一方でもっとも無視されてきたことであると述べています。

モチベーションの効果 今と昔はもう違う(5:00)

ここからモチベーション行動の分析に入りますが、この後の話を理解するために必要な二つの単語が出てきます。ただ中級程度の英語力があれば文脈と単語のから推測することは十分可能ですね。)"Dyamics of extrinsic motivoators and intrinsic motivators"(外的動機付けと内的動機付けのダイナミクス)の”Extrinsic and intrinsic” です。これらの単語は接頭のEx(外)とIn(中)を理解できていれば文脈から想像できると思います。要するモチベーションは外的動機と内的動機があり、この外的動機付けがこのロウソク問題の解決には効果的でなかったという結果ですね。この二つの動機づけは”Not even close"(まったく違う)と言っていますが、”close"(近い)は距離感を表現するのに使われる大事な単語ですね。またこの外的動機のことを”Carrots and sticks"(人参と棒)と表現していますが、いわゆるアメとムチです。現在までのビジネスオペレーションでの動機付けはこのアメとムチをベースに構築されており、これらは20世紀の仕事の多くにはフィットしたが、21世紀の仕事ではうまく働かないと言っています。

なぜ外的動機付けでは今のビジネスモデルで上手くいかないか?(6:00)

話が次のキャンドル問題の説明に移ります。”Let me show you how I mean” は定番表現ですね。ここでは同じ課題で同じグループ分けですが、絵が少し違いますね。この場合はインセンティブチームが勝利を収めたようです。”Kicked other group’s butt off”(もう一方のグループのおしりを蹴飛ばした)ですが、かなりくだけた表現ですが、このような場でも問題なく使われますね。「やっつけた」という語感が近いですね。ではなぜか?動画のスライドでは”The Candle Problem for Dummies"(猿でもできるろうそく問題」とタイトルが入っています。”Dummies"は「ばか」ですが、アメリカでは「*** for Dummies」というタイトルで「猿でもわかるシリーズ」という本がたくさんあります。このようにシンプルなルールとクリアーな目標が設定されていれば外的動機グループは優秀は成績を上げようです。”IF-then reward"と表現されていますが、これは文脈から推定できると思いますが、「~をしたら~を与える報酬形式」という理解でいいと思います。また、報酬はその性質から集中させるが、視野を狭めるといっています。”Narrow focus”(視野を狭める)の”Narrow"は”Narrow it down"(~を絞る)という使い方がよくされますね。

「リアルロウソク問題」への対処法(7:00)

話が結論に向かっていきますが、「リアルロウソク問題」と表現していますが、シンプルなルールがなく、目標がはっきりしない実際のビジネス問題に対して解決策を導き出すには周りを見回す必要がある、と言っています。”Periphery”(周辺、抹消)は形容詞のPeripheral(周辺の)という単語をよく目にします。”Computer Peripheral”(コンピュータの周辺機器)という意味でよく目にします。次にしかしながら報酬を動機とするシステムは視野狭窄となり、解決の可能性を狭めることになるようです。なぜこのことが重要なポイントかというと、このような問題を解決する能力が必要な作業は左脳を使う単純な作業でITやコストの安い国でできるが、実際のいわゆるホワイトカラーが対応すべき仕事は右脳を使う解決策の難しい問題だからだ、と言っています。”Conceptual and creative”と表現していますね。次に「あななと仕事を考えてみてください」と投げかけています。それらは往々にしてルールは”Mystifying”(不可解)であり”Suprising”であると言っています。確かにその通りですね。ということで”If-then reward”アプローチ は通用しない、と言っていますね。

リアルロウソク問題の解決法(8:30)

次にこのことがFact(真実)であることを証明するためにDan Arielyさんという経済学者がMITの生徒に対して行ったテストについて語られます。MITはMassachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学)ですね。知り合いはいませんが、超名門校です。このテストではMechanical Skills(機械的な作業)では報酬系の動機付けがより良いパフォーマンスを生むが、”even rudimentary cognitive skill”ではこの動機づけはうまく働かないとされています。”even rudimentary cognitive skill”は良く意味が理解できなかったのですが、字幕によると「多少なりとま認知力が要求されるスキル」と訳されています。”Rudimentary” は「初歩の、根本の」という意味のようですので、「本質を見極めるスキル」という理解でいいと思います。このスキルが要求される場合は報酬系動機付けはかえって悪いパフォーマンスを生む”led to  perfomance”と結論付けています。またここには”Culture baias”(文化的、地域的)バイアスはなく、経済環境が異なるインドでも同じ結果であるようです。笑いが起こっている”Is this some kind of touchy feels socialist conspiracy?”の”conspiracy “は陰謀という意味で結構耳にします。イギリスの学者の研究でも同じ結果が出ているようですね。

間違ったアプローチと正しいアプローチ(12:00 )

多くの企業がこの間違った、あるいは古い動機付けの前提に基づいて決定を下しているのでうまくいくはずがないと述べています。これらの前提”Assumption”は往々にして古く”Outdated”、十分検証されておらず”Unexamined”、科学的ではなく、民間伝承的なものに基あると言っています。ではこの誤った考えとアプローチから抜け出すには内的動機に基づいたアプローチが必要になります。このアプローチには三つの要素があり、1. “Autonomy”(自主性) 、2. ”Mastery(熟練性)、3. “Purpose”(目的)となります。

ダニエルさんはこの内の自主性についてのみ説明をしています。今までのマネジメントはコンプライアンスを重視する場合は上手く働きましたが、エンゲージメントや自主性を求めるとなると別のマネジメントが必要になってきます、ここで自主性を重んじるマネジメントで成功したいくつかの会社が例として出されています。アトラシアンというオーストラリアのソフトウェア会社では二十四時間以内で何でもいいので好きなもを作って発表するという取り組みがあるようです。また、よく知られたグーグルでは二間を自分の好きに使っていいことになっています。この二割の時間から多くのヒットサービスが生まれたと言っています。このような取り組みの結果、エンゲージメントが上がり、生産性か向上し、従業員満足度が向上したようです。この辺りの英語表記”Productivity goes up, engagement goes up, worker satisfaction goes up”は、簡単で使えそうですね。 また、一つの自主性を重んじるコンセプトの”Result Only Work Environment” (ROWE)が紹介されています。この一つの例として自主性が価 勝ちを収めたビジネスモデルとしてマイクロソフトとウィキペディアの百科事典競争が例として挙げられています。

最後にまとめとして動機付けについて科学が証明したこととビジネスで信じられている事が違っている理由を再度説明していますね。最も大事な点としては科学が何が21世紀型のアプローチに効果的かを証明しいるのでそれを直せばいいということですね。そうすれば我々のビジネスを力強くし、我々が直面しているロウソク問題を解決し、もしかしたら世界を帰ることができるかも、と結んでいます。

笑いのポイント

8:30に「私は法律家なので私はアメリカ人なので哲学を信じない、というような下りがありますが、これもアメリカ人の自虐的な冗談と思われます。アメリカ人は実利的であると同時にやはり歴史がないので文化的な哲学面は深みがない、と自嘲気味に言っている気はします。また「これは事実ですが、私のホームタウンであるワシントンDCでは「真実の事実」と言っています」といって笑いを取っていますが、政治の中心であるワシントンDCでは事実はかならずしも真実でないため、笑っているのだと思います。(確証無し)

役に立つ英語

今回は役立つ英語はそれぞれのパラグラフで説明していますので、自分に置き換えて覚えておくといいと思います。

このTED Talksを視聴しての気づき 自分をどう動機づけるか

十年以上前のTalksということもあって今では「内的動機付け」というコンセプト自体はそれほど新しいアイデアではないですが、現時点で周りを見回してみても内的動機に基づき働くことのできる環境はなかなか整っていないですね。クリエィティブな仕事であれば自発的、内的動機も上手く働くでしょうが、大勢を占めると思われる一般の会社員、特に私のような内勤の人間にとっては仕事に内的動機アプローチを持ち込むのは結構ハードルが高いと思います。では何も変わっていないかと言われるとそうでもないと思います。なんとなく社会の趨勢としてこの考えは市民権を得てきているような気もします。であればルーチン的であってもそこに自発的アプローチを持ち込むことはできますね。仕事のやり方を変える、自分の部署の仕事でない事を整理するなどでしょうか。私はこのアプローチでいろいろやってみましたが、時として軋轢はある程度発生しますし、効果があまり感じられないこともありますが、今まで感じてきた「やらされ感」はあまり感じることはなく、自分の思う通りの方向性にそれなりに進むような気がします。自信がなくても「いけてるビジネスマン」になりきって巷で行われている興味深いビジネスプラクティスを導入してみるといいかもしれません。例えば私は半年前に流行りの1on1ミーティングを始めてみましたが、それなりに形になってきています。当初は人を育てるなんてまだまだ早いと思っていましたが、それなりに形になってくれば自分が先端のビジネスモデルを実践している気になります。リアルなアウトプットが体感できます。真剣にやるのはもちろんですが、形から入っても物事の見方は随分と変わりました。

 

以上、自分を正しく動機づけして21世紀