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おすすめ書籍「1 on 1 マネジメント」 部下にも上司にも役立つ1 on 1ミーティング

 本日はキャリア開発・目標設定の社内面談に関する本「1 on 1マネジメント」を紹介したいと思います。1 on 1はシリコンバレー発ともいわれていますが、日本でもYahooをはじめ有名企業も多く導入しているようですね。本もたくさん出ています。「個人面談」というミーティングは以前から日本でも存在していますが、1 on 1は特に傾聴に重きを置き、部方のためのミーティングであるという点が大きな違いですね。この一冊は松岡啓司さんというコンサルの方が書いた本で1 on 1のエッセンスがよく整理されており、序章を読むだけでもかなり1 on 1のプロセスがどういったものかが理解できると思います。全体像と実践時のコツがよくまとめられてますので、「1 on 1はやってみたいがまだ試したことがない」や興味がある方は読んでいただけるといいと思います。また一般的になかなか個人面談をしてもお互い理解が進まない、部下のやる気が起きない、という方にも参考になると思いますし、ここは強調したいのですが、1 on 1を受ける側にも役に立つと思います。何故なら部下から見ても結局インタラクティブなコミニケーションが重要なので、相手(上司)のアプローチを理解することで相乗効果が生まれるからです。つまりきちんと向き合えば誰も損はしないプロセスと思います。

この本の序章では「ピープルマネジメント」の目的と「1 on 1の全体像」、1 on 1が必要となってきた「マネジメントを取り巻く環境変化」について説明がされています。その後の1~7章は1 on 1の具体的な的な実践方法の紹介の構成です。今回の記事では1 on 1のプロセス、背景、コンセプトをコンパクトに説明した序章の説明と、自分が実際に1 on 1を実施した上での自分の気づきを紹介したいと思います。

 

 

1on1マネジメント

1on1マネジメント

  • 作者:松丘 啓司
  • 発売日: 2018/04/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 


序章 1 on 1の全体像と主なプロセス 己を知り相手を知れば・・・みんなハッピー

まずピープルマネジメントとは「特定の人だけをマネジメントするのではなく、すべての人々を対象にしている」と説明されています。この点は若干異論がある方も多いと思いますが、ピープルマネジメントの目的が「個人のニーズと会社、組織のニーズをすり合わせる」じことにあることは異論がないと思います。

次に1 on 1の全体像について説明があります。顧客、社会・会社、個人のニーズをインプットしそれを目標設定に生かす「目標設定支援」、強味を生かしたアクションを実行し、成果を測定し、気づきを促す「経験学習支援」。この一連の流れからキャリアについて自らビジョンを策定する「キャリア開発支援」がサイクルとなります。プロセス的なコンセプトはPCDAにも近いですね。またこのプロセス全体に共通するベースとして「メンバー理解・相互理解」という要素があります。このプロセスを通じて部下と上司の個人が成長し、会社も成長すると言うコンセプトです。

実際の1 on 1の各プロセスについてもう少し詳しく説明されているので紹介します。「目標設定支援」についてはこの序章では詳しく述べられておらず、第5章「目標設定を支援する」で紹介されています。ではどう目標設定を支援するかですが、この目標設定は1 on 1の目標で述べた「個人と会社のニーズのすり合わせ」が目的ですので、まず個人のニーズを把握する必要がありますね。この点ついては「メンバー理解・相互理解」の説明時に自分やメンバーのニーズを見極める方法で「内的動機」として話が出てきます。

「経験学習支援」については目標に対し「アクションを行い」、「得られたその結果(インパクト)を測定」し、「その結果を振り返る」プロセスが経験学習であり、1 on 1はこの経験学習の効果を最大化するためのフィードバックやアドバイスをして支援をすると述べられています。

「キャリア開発支援」は「3年から5年先のキャリアビジョンを描く」ことを支援することです。この目標設定や経験学習を振り返るときに将来的にどのような存在になりたいかをイメージすることが大事であると述べられています。ここはなかなかそこまで考えている人は上司側もいないのではないでしょうか。

最後に大事な事は「メンバーの理解・相互理解」を助けることであると説明されています。私はここが1番大切だと思いますね。上司がメンバーを理解する、メンバーが上司を理解するために、理解しようとしている人物がどような人間であるかを理解するために「内の軸」、つまり「内的動機」と「価値観」を理解することが重要であるようです。ここでいう「内的動機」はその人がどういうときにやりがい、充実感を感じているか、「価値観」は何を大切にしているかです。これらが「その人らしい考え方や行動を表す思考・行動特性の源泉となっている」と書かれていますね。ちろん自分を知ることも大事ですので、その点は第一章の「自分を振り返る」に書いてあります。この章は上司が自分を振り返る必要性を書いていますが、もちろん部下や1 on 1を受ける側にも必須の作業ですね。

 序章 1 on 1の生まれた背景 せわしない世の中で変わり続けるしかない

序章では最後に1 on 1、ピープルマネジメントが必要となってきた背景を整理して説明してくれています。いくつか挙げられていますがます。まず「アジャイルマネジメントの必要性」です。”Agile"はよく日本でも耳にしますが「機敏な」という意味ですね。企業の活動を取り巻く状況の変化がスピードが上がってきたため、変化のスピードについていくために自律的に動ける人材を開発することですね。もう一つは「ダイバーシティー&インクルージョンの必要性」です。多様な価値観(ダイバーシティ)を認め、それを活かす(インクルージョン)と説明されています。たとえ超優秀な人たちの集まりでも同質性が高いとアイディアが生まれにくくなったり、よりよい決断がでないと言われますね。私的には官僚機構なんでその典型のような気がします。次は「専門性を活かす必要」です。ただ私は専門性がある人しか生き残れないと言うわけではなく、私のように専門性が特になくジェネラリスト的な人間でも生きていく道はたくさんあると思いますので、あまり他人が持っていない価値を作り出すといいと思います。ただAI、英語、キャリアプランなど時代とともに大きく変わりつつある潮流の分野はしっかりと抑えておく必要があると思います。最後は「コラボレーションの必要性」です。コラボレーションが起きるようなチームを作る必要があると述べられています。

気づき  1 on 1は自分もしっかり育ててくれる

1 on 1は人を育てることが目的ですね。以前私の属する会社の社長が「私の仕事の一つが人を育てること」と仰っていました。その時は社長ともなるとそういう仕事もあるけど、自分が人を育てるなんてまだまだ先だなーと思っていました。でも不完全な試みでもその人に成長してほしいという気持ちでやれば最悪でも何かが前進するとことはありますね。改めて自分もその責任があると思いましたね。

と、ポジティブな意見を述べましたが、このサイクルは支援づくしですで、「実際ここまでしなあかんの?」と思う気持ちもあります。今までののビジネスパーソンは「自分で気づけ」という文化だったのですが、世の中の流れではあるのでしょうね。また親と一者で部下も自分が上司になって多分やっと上司の意図がわかるのかもしれません。また、時として「お世話」や「機嫌取り」になってしまう危険性もあるので、その点が注意が必要ですね。日本だけかもしれませんが、上司に親的な存在を求める文化は確かにあると思います。

私自身この本で1番大切な事は内的動機、価値観を見つけることだと思います。なぜならそれがわからないと自分自身の行動特性がなかなか理解できないからです。冒頭の見出しの孫子のもじりの「己を知り相手を知れば・・・みんなハッピー」ですね。私が勤務する会社でも外資系らしくコンピテンシー、行動特性が評価項目に上がってきましたが、実際いろいろ聞いてみてもうまく説明できる人が少なく、なかなか部下に落とし込むことが難しかったことを記憶しています。なぜならそれはそこのベースとなる価値観や内的動機の理解、認識がきちんとできていなかったからだと思います。よって自分の振り返り、何が自分の内的動機か、価値観であるかを考えるのは非常に重要なことになってきます。これは部下でも上司も関係なくほぼ自分に対する責務のようなものですね。私の部下には「面と向き合うのはしんどいですが、それはあなた自身の責務でもありますよ」と言っています。このことについては一章以降を読んで行けばどのようなアプローチが必要かがわかると思います。


私がこの1 on 1を始めた時は、いわゆる「できる上司」でもないのにこんなある意味カッコつけたことをやって逆に反発を招くのでは?という怖さもありましたが、わかったようなわからないような関係を続けるより、摩擦が起きてでも何か変わっていく経験ができると思い始めました。数人の部下を集めて1 on 1の目指すところを説明しました。やはり内的動機価値観などのコンセプト的な部分は何となくわかったような雰囲気だったと思います。その後は本に書いてあるようなお手本的な場面はほぼ発生せず、いろんなことが起きました。いままで1 on 12週間ベースで半年間継続していますが、部下に喋ってもらうのはなかなか難しいですし、傾聴に集中するのも難しく、ちょっとした普通の業務ミーティングみたいな感じになる時も多々ありますね。ただ、話すことを通じて相手の価値観を以前より把握でき、何よりも意思疎通を持つ機会を持つ事は信頼関係に繋がってきたということを感じてはいます。後は彼女らの彼ら、自分の内的動機価値観をどう仕事に反映して、どう組織を強くしていくかですね。この本ではそれぞれの強みを活かすことも協調されてますが、あまり真似できないような強みだとそれをチームの汎用的強味にするのは難しいですね。それこそいろんな価値観があるので「私にはあの人のように家庭を犠牲にしてまで仕事したくない」とか。これにはマインドセットと言うプロセスを通じて自分の内的動機価値観を反映し、個人のキャリア開発には落とし込むが、チーム的には別の価値観を作り上げる必要がでてきますね。いろんな価値観を持つ人がそれをを活用するが、チームとしては同じ価値観を持ち、同じゴールを目指するような形がよいですね。そのマインドセットについてはこの本に語られてないのでその点はまた別の記事で紹介したいと思います。

以上、「1 on 1 マネジメント」の紹介でした。まず人の話を聞くことから始めてみましょう。まだ私も全然できてないですが、地味にいきましょう!