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中小企業で1on1をやってみた-1on1のリアル

ビジネスにおける1on1ミーティング(以下「1on1」)という言葉はご存知でしょうか?そのまま訳せば「個人面談」となり、どこの会社組織でもやっていると思います。ただ今の1on1といえば「部下のやる気、潜在能力を引き出す部下のためのミーティング」として認知されてきていますね。

過去の記事「おすすめ書籍「1 on 1 マネジメント」 部下にも上司にも役立つ1 on 1ミーティング」にも書いてありますが、私が1on1を行なって約1年が経ちましたので、その結果を「中小企業でやってみた1on1の実態」として紹介したいと思います。1on1をやってみよう、またやっているという上司や部下の方の参考になればと思います。

 

1on1とは?がなぜ必要か?

まずは簡単に1on1のおさらいをしたいと思います。過去記事ではちょっと思いが先行してたくさん書きすぎてしまい、フォーカスがぶれているので、過去記事は別に参考になさらなくてもいいと思います笑。今回はポイントだけを簡単に書いています。

1on1の目的は人材を育てて、会社の発展に寄与することですが、今のようなVUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)な時代において、個人の価値観や才能引き出すための手法として注目されていますね。特徴は「とにかく傾聴から始まる」ことですね。

過去記事で紹介した松岡啓司さんの「1on1 マネジメント」ではマネージャーが傾聴することで、部下の内的動機や価値観に気づき、それに基づいて目標設定や振り返りを支援し、キャリア開発を目指すというものです。また、上司を含めたメンバー同士の相互理解を深めるという目的もあります。

 

Yahoo JAPAN の本間浩輔さんが書いた「ヤフーの1on1」では1on1を行う理由は「社員の経験学習を促進するため」と書いてあります。この本からわかりやすい1on1のアプローチの表を紹介しておきます。

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1年間の振り返り

では前置きはこのくらいにして過去の1年間を振り返ってみたいと思います。

昨年の5月末に部下たちを集め、1on1の目的についてキックオフミーティングを開催しました。そこで伝えたのは下記の6点ですね。

  1. 「部下たちのキャリア開発のためのミーティングであること」
  2. 「内的動機や価値観を探ること」
  3. 「上司が傾聴に徹すること」
  4. 「建設的な態度で臨むこと」
  5. 「部下が話したい事を考えてくること」
  6. 「話す内容はキャリア開発、業務、その他何でもいいこと」

隔週で一人約30分程度を確保し、とりあえず1年間やってみようということで始めました。また、マインドセットのワークショップを開き、業務と価値観の洗い出しも行いました。最後にこの1年の振り返りを1on1で行い、部下よりコメントをもらいました。

部下からコメントをもらい、自分でもレビューをした結果、私からすれば成功したといってもいいと思える内容でした。ほぼ9割以上が業務に関する悩み、愚痴の話でしたが、部下からのコメントは全員が「上司にいつも解決は求めているわけではないが、聞いてくれるだけでも気持ちが楽になった」というコメントがあり、傾聴の効果を実感しました。

1on1や自己啓発の肝(と私が考えている)の「内的動機や価値観の気づき」については「・・・と気づきました」と言ってくれる人も多く、レベル感の違いはあれ、「気づき」という言葉を引き出せたときに自分でも「おおー、気づいてくれたのね」と思い感動しましたね。

全員から「今度も1on1は続けたほうがいい」という意見をもらったので、続けることになりました。

 

セピア色?の思い出

最初から最後まで結局部下たちが自分で今を持ってくることはありませんでした。やはり忙しいバタバタしているので、どうしてもこのような結果がすぐに現れない1on1については後回しになってしまったようです。

また、その当時何かと反抗的な部下が1名いましたが、1on1でその方が出してきた議題は「**さん(私のこと)が**さん自身のSWOT分析をし、私に提出してください。そして**さんの強み弱みを私に説明してください。資料はなくてもいいですが、あった方が説得力があります。」というなかなかユニークな提案でした。 ここからはいろいろな人がまさに多様な価値観で働いているということを実感できました。

また、ある時一人のリーダー格の部下からは「このミーティングはダメ出しをするためのミーティングですか?」と言われました。 これは私が聞いているつもりでも、その人の直してほしい点に対し無意識のうちに色々アドバイスをしていたせいだと思います。更に業務がバタバタしており、その部下が孤独奮闘しているような状態でストレスを感じていた時期でした。そこに配慮していなかったのも原因ですね。1年後の振り返りではこの部下から一番良いコメントをもらいました。

気づきと今後の1on1

 今後もこの1on1を続けるつもりですが、そのために解決しなければいけないことは、たくさんありますが、やはりポイントを絞って進めていきたいと思っています。

内的動機や価値観に気づいてもらう

これは自己分析、内省することになりますが、ここを突き詰めていくのは結構しんどいものです。また、日々の忙しい日常から「考える時間」をどう確保するかをアドバイスしていくつもりです。有能で仕事も早い、性格も落ち着いている部下がいますが、 いつも「特に考えているテーマはありません」というと言う始まりでした。本人は忙しくてどうしようもないかもしれませんが、思考停止にならないように支援する必要がありますね。

多様な価値観を受け入れて、自律的に動く

「ヤフーの1on1」の言葉を借りれば「ダイバーシティとインクルージョン」ですね 。自分の価値感だけではうまく組織は回って行きませんので、「自分とは全く別の価値観を持つ人々」をどう理解するかについて一緒に考える必要があります。特に女性の活躍 というお題目で、産休や育休などの時に他の人に過度に負担かかるということが起きていますので、チーム全員が当事者意識を持って考えていく必要があります。

嫌なことをフィードバックする

この点はかなチャレンジングですね・・・。 得意な人はいないと思います。信頼関係が大事ですが、ともすると信頼関係を損なうあります。 これはフィードバックを受ける側やフィードバックする側の、体調、気分、会社の仕事の状態 、その他諸々の要因も重なります慎重に進める必要がありますね。

 

まとめ 未来を創造する1on1

1on1を一年やった結果を振り返り、時間を使った甲斐があったとは思っています。今後も同じようなアプローチ、端的に言えば「話をよく聞いて、気づきを支援する」ことを続けていきたいと思います。

部下の成長を願う上司というのは一見綺麗事のような気がしますが、人材育成は会社にとっても必須であり、組織としても個人としても生き残っていくために大事なことですので、トライアンドエラーですね。

自分なりのキャリア開発を考える際、今の会社、今の自分、今の仕事内容を前提に将来的なキャリアを考えようとしてしまうと思考停止の状態に陥ってしまいがちですね。妄想レベルでもいいので将来自分がどうなりたいか、組織をどうしたいかを想像し、自律的にキャリア開発を実行する姿が理想ですね。

次に向かうステージは、自分の内的動機や価値観をもう少し具体的に話すようにできるように支援することです。そしてVUCAの時代でも通用するキャリアを開発することは自らの義務であると気づき、ロコグローバルな人材になってくれればと思います。

 

以上、「中小企業で1on1をやってみた」でした!