グローバル人材を目指す英語と思考のブログ

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みんなで考えるダイバーシティ&インクルージョン

最近日本でも「ダイバーシティ」または「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉がよく耳にするようになりました。ダイバーシティは「多様性」、インクルージョンは「受け入れること」ですね。しかし、この「ダイバーシティ&インクルージョン」はなんとなく意味がわかるが、ハッキリとは説明が難しく、まだなじみのないない言葉だと思います。

今回はこの「ダイバーシティ&インクルージョン」について自分の意見を整理してみました。この価値観は今後ビジネスの世界で存在意義を高めてくるでしょうし、必要な価値観としてもっと幅広い解釈で認識されていく可能性があります。

また、このようなグローバルビジネスカルチャーのトレンド(流行り)をおさえ、その本質を確認しておくことは、ロコグローバル人材として必要ですね。今回はまず「日本のビジネスのにおけるダイバーシティ」を中心に整理してみました。

まず自分で考える-ダイバーシティとは?

先ずこの言葉をネットで調べる前に、今持っている知識や経験の範疇で「ダイバーシティ」ついて考えてみましょう。どのような場合も「まず自分で分かる範囲で考えてみるクセ」をつけるのは大事ですね。本を読んでいても「***の場合、みなさんはどうしますか?」というような問いかけに対し、すぐに答えを知りたいために、すぐ次の答えを読んでしまいたくなりますが、思考停止を招く危険な習慣です。

私自身は「ダイバーシティ」の本質は「様々な価値観の相違」と捉えました。また、この言葉がよく使われるようになった背景には、「価値観の違いによって差別される人達の声を無視できなくなった」こと、因果関係としては「多様な価値観を尊重しないと、差別による不当な扱い、軋轢がうまれ、社会に悪影響を及ぼす」ことと考えました。

さて、ググってみましょう。ちなみに英語でも「ググる」は”Google”です。”Just google it”って感じで使いますね。結果は・・・、なんと日本語版のWikipediaには出てきません!正確には「ダイバーシティ」という言葉は出てきましたが、無線通信に関する用語でした。おそらく無線が好きな人?が先にこの言葉を登録してしまったのでしょう。「ダイバーシティ マネジメント」という言葉では登録があり、今回のダイバーシティの意味に近いです。

では、次にWikipedia英語版ですね。英語版のほうがやはりオリジナルに近い解説がしてある場合が多いですね。英語版ではビジネスでのダイバーシティ、政治でのダイバーシティ、科学のダイバーシティ、テクノロジーのダイバーシティなどがいろいろなダイバーシティがセットになっていました。私の理解と近いのはビジネスと文化の多様性に関するダイバーシティでした。「ダイバーシティ」のオリジナルはまずアメリカの雇用機会均等法から始まり、ビジネス戦略として確立され、文化的やその他の領域にも広がっていったと考えるのが妥当ですね。

ちなみに今回参考にした「ダイバーシティマネジメント大全」(著:西村直哉)で解説されているダイバーシティの定義は下記の通りです。第二次元ダイバーシティの重要性が増してきているという主張ですね。

第一次元

外見の特徴から認識できる表層的なもの。人種や国籍、年齢、性別、肉体的特徴

第二次元

外見からは判断しにくい深層的なもの、宗教や言語、学歴や職歴、勤務体系や生活様式、さらに価値感やキャリア志向、心理的特徴など

成果・イノベーションを創出する ダイバーシティ・マネジメント大全

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  • 作者:西村 直哉
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日本の普通の会社に舞い降りたダイバーシティ&インクルージョン

自分で考えて、本を読んで、ググってみて、何となくダイバーシティの本質が理解できたら、次は日本の会社におけるダイバーシティの定義の定義ですね。ここからは調べるよりも経験則で考えていきます。

私の勤務する会社名は以前から「ダイバーシティ」をグローバルレベルの企業文化の一つとしてセットしていましたが、最近は「ダイバーシティ&インクルージョン」に変更され、グローバルレベルでのプロジェクトチームも編成されました。当然、各ローカル拠点にもローカルのチームが作られ、「この活動を推進せよ(天の声)」とのお達しが来ました。「多様な価値観」は私のブログのテーマの一つでもありますし、私はローカルチームに呼ばれていなかったのですが、「 普通のビジネスパーソンたちがどうダイバーシティを考えるか?」に興味があり、手を挙げて参加をさせてもらうことにしました。参加者みると、会社が選んだメンバーは年齢や性別こそ多様性がありましたが、全員同じ営業関連の人達でした。「ダイバーシティ」というお題でどうしてこのような人選になったのか、おもわず聞いてしまいましたが、特に理由はなかったようです。このスタートからしても、ダイバーシティを推進するのは難しいことがわかりました。既に会議もありましたが、やはりいろいろなレベルの意見が出てきました。ただ、変に知っているより何も知らない方が面白い意見がでたりして興味深かったです。

では、このようにまだアプローチがハッキリ定まっていない場合、このダイバーシティが「何の役に立つか?」を考えてみることで、論点が整理できると思います。

何のため?-一体何の役・誰の役に立つか?株主向け?

企業にとってダイバーシティは企業文化のようなものと理解すればいいですが、何に役立つか具体的な効果を説明するのは難しいですね。聞かれた場合は「ダイバーシティとは・・・」と、それなりに知ったかぶりできる答えを用意しておきましょう。私の場合は次のように回答します。「結局はいろんな価値観の人が集まって仕事をしているわけだから、仕事に対するスタンスややりがいもいろいろある。自分だけの価値観でそれをみると色々不満や疑問もでるが、皆が多様なスタンス・価値観のもとで働いていると理解することが大事。理解ができたら、異なる価値観を受け入れることで刺激や創造性が生まれる。それがビジネスの仕組みを刷新し、強みになる。また、この文化の元で個人個人も強味を生かすことができ、結果として組織やチームが強化され、エンゲージメントも向上する」。このように自分なりのストリーと言葉で説明できるようにしておくだけでもぐっと腹落ちがよくなります。

 

第1ステップ ダイバーシティの理解-価値観を認める

「日本のような単一性の高い文化・場所でのダイバーシティは、価値観の違いを理解をベースとして進める必要がある」が私の主張となります。

ダイバーシティのミーティングのみならず、1オン1ミーティングではそれこそ色々な価値観に遭遇します。この場合、自分の価値観を確認しておくことも大事ですが、まず相手の価値観を認めるという姿勢が必要になってきます。合意する必要はありません。これも1オン1ミーティングの一つのスキルです。また、対人ストレスを軽減する方法として「相手の言動や行動のもとになったその人の価値観を理解すると、腹立ち・苛立ちが軽減される場合がある」とはよく言われていますね。

第2ステップ ダイバーシティの推進-ぶつかって当たり前

トップダウンでの推進が必要ですが、まず「会社やチームとして個人の価値観を大事にしますよ」ということを言ってあげることが大事です。 つまりいろいろな働き方を認めてあげるよということです。ここから価値観同士がぶつかりますが、違うことを前提に仕事をする実践が必要になります。頭だけでは机上の理論になってしまいます。摩擦はおきるでしょうが、いまはコロナによりパラダイムの転換がおきていますので、前向きなすり合わせができると思います。私のチームも10年以上対応してきた「頼まれ仕事」をこの機に止めました。会社はコンセプトだけ打ち出しても説得力がないので、まずは在宅や勤務形態を多様化する方針・制度の整備が必要となります。「ダイバーシティマネジメント大全」でもテレワークは「時間と空間の多様性」であると述べられています。

第3ステップ インクルージョン-双方向のアプローチ

ダイバーシティを活かすためにインクルージョンが大切となってきます。私自身は「インクルージョン」を「参画」という意味でとらえていましたが、本来の意味は、いろいろなマイノリティーの人が参加できるプラットフォームを作る(みんなを含める)という考え方のようです。調べると ”Affirmative Action” というような言葉に遭遇しました。時々目にしますが、これは「人がその属性によって社会への参画が差別されないような体制を作る政治的アクション」です。こう考えると「ダイバーシティとインクルージョン」のセットのほうが、本来意図とする「多様性を受け入れそれを活かす」という本質に近いと思います。ただし、私はその発展形として自ら参画するインクルージョンも必ず必要と考えます。会社の社員全員が異なる価値観を持っているが、会社のバリュー・ミッションになんらかの形で参画しているというイメージです。多様な価値観を受け入れる側、参加する側の双方でダイバーシティを達成することがインクルージョンと言えますね。

まとめ-行動を伴って初めてゆっくり動きだす

覚悟が必要なのは、まず「すぐにうまくいく」ことを期待しないことですね。特に企業文化を変えるとなるとそれこそ大変です。ただし、ある程度会社として方針がでれば、個人やチームから始めて、広げていくことも効果的アプローチです。自然にその価値が広がっていく儒家思想で言う「徳の広がり方」になります。また、「ダイバーシティ&インクルージョン」とはなにか?と考えることで自分の価値観も見直すことができ、コミュニケーションもいままでより上手くいくと思います。

ローカルで仕事をこなすが、グローバルレベルで活躍できるロコグローバルな人材にとっては多様性は実は当たり前の世界なので、必須なアプローチとして「ダイバーシティ&インクルージョン」を理解しておく必要があります。今回は日本の会社における多様性については書きましたが、次の機会にはグローバルとダイバーシティの関係についても書いてみたいと思います。

おまけですが、 “diversity”は最初にアクセントをつけて発音しましょう!

 

「ダイバーシティ&インクルージョン」を標榜し、どんどん自分らしい働き方を創っていきましょう!