グローバル人材を目指す英語と思考のブログ

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誰にでもできるアンガーマネジメント

今回は人生や仕事で避けては通れないアンガーマネジメントの必要性をマインドフルネス思考と関連づけて考えてみます。

アンガーマネジメントは日常に溢れている ”Anger”(怒り)をどう管理するか」というスキルです。アンガーマネジメント関連の書籍も多く、関心が高いことがわかります。アンガーマネジメントの代表的なコツとして「(怒りが沸いたときに)6秒カウントする、深呼吸する」、「怒りの日記をつける」などあり、どれも有効なコツ(Tips)ですが、それだけでは怒りはうまくコントロールできません。例えば深呼吸しても思考を呼吸に集中する方法を知らないとただの「イライラしながら深呼吸している」状態になり、怒りやイライラは消えません。怒りの日記をつけても、突然来る怒りには対応できません。つまりこのようなコツを実行するには、そのベースとなる思考も必ず鍛える必要があります。PCに例えるとコツはアプリケーションで、思考はOSですね。また、運動に例えると基礎体力をつけずにシュートの仕方ばかり練習するようなものです。思考をベースにすることで、あらゆる場面で怒りに関するストレスが軽減され、仕事や家庭での人間関係もスムーズにまわることをお約束できます。ロコグローバル人材にも必須のスキルですね。

マインドフルネス思考なくしてアンガーマネジメントなし

私は過去にもアンガーマネジメントに取り組んだことがありますが、怒りは多少は軽減されますが、根本的なコントールまではうまくいきませんでした。ただ最近はアンガーマネジメントが上手くできるように感じます。アンガーマネジメントが出来なかった過去と今と比べて異なる点は、マインドフルネス思考を心がけていることです。

結論から言うと「マインドフルネス思考なくして、アンガーマネジメントなし」です。「怒りをコントロールする」というスキルのステップは次のようになります。( )内のMFはマインドフルネス思考、AMは一般的アンガーマネジメントスキルです。

怒りが発生 ⇒ 今に集中する (MF) ⇒ 自分を客観視する (MF&AM) ⇒ 怒りを遠ざける (MF&AM) ⇒ 今に集中した状態を保つ (MF) ⇒ 怒りが収まる

このように、怒りをコントロールするにはプロセス全般でマインドフルネス思考を使うことが大切になってきます。

マインドフルネス思考は今に集中することで、思考や感情が過去や未来に捉われない状態を作り出します。つまり怒りが発生した時、怒っている自分を客観視することにより、本筋から関係のない雑念から感情を切り離し、マインドをニュートラルな状態に戻すことができます。ここで怒りを鎮めるコツを実行すれば、怒りもおさまってきます。

アンガーマネジメントの目的

なぜアンガーマネジメントが必要か?それは「無駄に怒らないため」ですね。自分の怒りをうまくコントロールし、イライラの少ない毎日を送れるからです。

怒りまではいかなくとも、昨日という一日を思い出してみると、イラっとしたことはすぐに数個は浮かんできます。 子供が言うことを聞いてくれない、列に割り込まれた、否定的な意見を言われた、電車が混んでいた、芸能人が不倫をしていたなど、自分に直接関係あることからないことまで、あらゆるシーンでイラッとできる材料が盛りだくさんですね。

さらにイラっとした結果、子供に辛くあたる、芸能人の不倫に関してどうでもいいコメントを書き込むなどの怒りを発散する行動に出たりします。このような行動は問題の解決にはなりませんし、更に新しいイライラや怒りを生むことになります。エネルギーも浪費します。また、正しい正義感からくる怒りも、方向性を誤ると怖いことになります。正義感から人を追い詰めてしまう人はよくいますね。

アンガーマネジメントの必要性

今後の社会やキャリアで注目されているスキルとしてエモーショナル・インテリジェンス、”Emotional Intelligence(EQ) “ があります。エモーショナル・インテリジェンスは「心の知能」とか「感情知能」などと呼ばれますが、自己や他者の感情を理解し、ストレスマネジメントやコミュニケーションを上手くコントロールする知能です。このエモーショナル・インテリジェンスの重要なスキルの一つがアンガーマネジメントです。さらにアンガーマネジメントとは怒りだけではなく、その背後にあるきっかけとなるイライラや失望感、また恐怖などをコントロールするスキルでもあります。このブログで取り上げたダイバーシティ&インクルージョン、マインドフルネスもエモーショナル・インテリジェンスの一つと言えます。アンガーマネジメントを身につければ、エモーショナル・インテリジェンスも育っていきます。

アンガーマネジメントの実行

では、基本的なアンガーマネジメントの実行についてですが、単に怒りを抑えるコツだけではなく、前提条件や怒りのプロセスを知っておく必要があります。前提としては二つあります。

他人や環境は変えることができない

アンガーマネジメントは他人の行動や言動を変えることを主な目的としていません。例えば機嫌の悪い人を見て「あの人は変わらないのに、何なぜ自分が譲歩しなければいけないの?」という前提があると、いつまでたってもアンガーマネジメントができません。もちろん自分が変わることで他社に影響を及ぼす可能性もありますが、まず目的が違うということを認識しておきましょう。

怒りがすべて悪いわけではない

アンガーマネジメントは全く怒らないようになるためのスキルではありません。必要な時に適切な態度・言動で怒る、つまりきちんとしたメッセージを伝えることもマネジメントスキルとして重要です。 怒るべき時に我慢したり、怒らなくてもいい時に怒ったりすると、後悔で悩みが増えることになります。

アンガーマネジメント実践編 

では次にアンガーマネジメントに必要な最低限の知識を紹介します。実践するための知識・コツについては三つ紹介しますが、これらのコツは「アンガーマネジメント」(著:戸田久美)を参考にしました。

アンガーマネジメント (日経文庫)

アンガーマネジメント (日経文庫)

  1. 怒りがこみ上げるプロセスを理解する
  2. 怒りの種類・矛先・範囲を特定する
  3. 怒りをコントロールするコツ,テクニックを身につける

怒りがこみ上げるプロセス-なぜ怒りがこみ上げるか?

怒りは価値観の相違から発生します。多くの人々は物事に対して「こうあるべきだ」という自分の「~であるべき」、「~するべき」を持っていて、それに基づき反応し、行動します。この価値観が裏切られると、心配、悲しさ、失望感などが生まれます。そして原因となった相手の行動・言動に対して自分の価値観で意味づけをして、「~であるべきだったのに、あの人はそうしなかった、許せない、ほんとイラっとくる」という感情が生まれます。 まずこのプロセスを知っていると、怒りという感情を生み出す原因が理解できます。 

怒りの矛先・範囲-どこまで許せるか?

自分の怒りがどこに向いているのか、また、どこまでが許せてどこからが許せないかを認識しておくことは大事です。また怒りの矛先が他人に向けられているのか、モノや環境に向けられているのかを知っておくことも重要です。怒りの範囲については自分の怒りが発生する境界線を把握しておくことです。例えば「きちんとする」という言葉についても人によって差があるので、もしかしたら相手の「きちんと」は自分の「きちんと」のレベルと全く違うかもしれません。自分の怒りがどの程度の期待値によって設定されているか認識することで、自分の怒りを分析し、有効な対策を見つけることができます。

怒りをコントロールするテクニック

多くの方法がありますが、定番で始めやすいテクニックを紹介します。どれもその基本となる考えは「まず怒りを遠ざける」、「怒りを客観視する」です。

  • 6秒間やり過ごす・心を落ち着ける呪文・深呼吸:これらは怒りが発生した時が一番力が強いので、ひとまず時間を稼ぐことで鎮静化させる方法です。
  • 怒りの日記をつける:怒りを客観的に眺めることで、自分が怒りにコントロールされないための手法です。 書き出してみると自分が些細なことで怒っていることがわかります。
  • 自分の怒りを整理する:自分がコントロールできる怒り、コントロールできない怒り、また自分にとって重要か重要でないかを分けて整理することで、どの怒りをやり過ごすべきか、どの怒りに取り組むべきかが見極めれます。怒りが発生した瞬間にフローチャート的に考えることができるといいですね。

まとめ-新しい自分を発見できる

アンガーマネジメントはどちらかと言うとスキル重視のアプローチですが、それを支えるマインドフルネス思考を身につけておくことが最重要ですね。アンガーマネジメントの本を読んで「価値観は人によって違うよね」と理解しても、実際に怒りを客観視したり、やりすごすことは難しいです。アンガーマネジメントはエモーショナル・インテリジェンスの一つの要素であり、「マインドフルネス思考」や「多様な価値観の理解」とのバランスの上で初めて効果的なスキルとなります。 

アンガーマネジメントのコツを実行することで、本来気にしなくてもいい「次から次に湧いてくる些細な怒り」をコントロールできるようになれば、日々のストレスも大きく軽減されます。これは時間を作るために悪い習慣やどうでもいいルーチンを止めることと一緒ですね。

ただコツだけではどうしようもないことが多く発生するのが世の常です。その場合はマインドフルネス思考や価値観の理解にウェイトを置くことで、怒りを上手く制御したり、やり過ごすことができます。例えばあなたをイライラさせる人が変わることはまずないでしょう。この場合は条件反射的にイラっとしないために、マインドフルネス思考で今現在や自分がすべき本筋に集中することです。「この人は宇宙人と思うといい」というようなスキルも本などで紹介されていますが、自分の感情をその人から引き離さない限り、怒りは継続してしまいます。

昇進や異動、転職、子供の成長、介護など、環境はどんどん変わっていきますね。それに応じて怒りの原因も変わっていきます。そのような時にフレキシブルかつスマートに対応できるのはやはりアンガーマネジメントも含めたエモーショナル・インテリジェンです。徐々に自分の怒りのタイプと向き合って、自分を変え、あわよくば他人を変えていけるようなアンガーマネジメントを育てていきましょう。

 

アンガーマネジメントは自分自身を見つめなおすことからです。先ず自分でマインドフル思考と共に実践して新しい自分と新年を迎えましょう!