グローバル人材を目指す英語と思考のブログ

“ふつうの人”とグローバルをつなぐ英語と思考

考える体質をつくる思考スキル

ロコグローバル人材(ローカルベースのグローバル人材)として成長する方法の一つにスキルの習得があります。ただ、ビジネスにおけるスキルの価値観が多様化するにつれ、スキルも多様化しています。このような状況ではスキルを計画的に、かつ時間をかけず効率的に習得したいものです。ただ、どのスキルを優先的に学習するべきか迷うことも多いですね。例えば営業職であれば目の前の仕事・成果に直結する「プレゼンテーションスキル」とか「交渉スキルなど」を学びたくなると思います。それも一つの効果的な方法ですが、「プレゼンテーションスキル」のような限定的なスキルを学ぶ前に、いろいろなスキルのベースとなる「思考」に焦点を当てたスキルを学ぶべきです。今回はさまざまな思考スキルの中から「フェルミ推定」を例として紹介し、「思考」ついて考えたいと思います。今回のテーマの「思考」スキルは哲学的なものではなく、実際コンサルが問題解決に使ったり、入社・転職試験で問題として使用されるスキルですので、毎日の実務やキャリアップに役立ちます。また、日常的に「考える」習慣をつけるためにも役立つスキルです。

役立つスキルとは?-なにはともあれまず思考から

まず「スキルとは何か?」をちょっと考えてみましょう。スキルと一口に言っても、いろいろ定義があります。まず「経験や学習によって身につけることができる能力」と定義しておきます。また、スキルは「思考力」のような幅の広いスキルから「プレゼンテーションスキル」のように、ある目的に特化したスキルもあります。まずロコグローバル人材に必要なスキルという視点からみて、ざっくり「汎用的・基本的」と「専門的・限定的」の2つに整理してみました。階層に分けてアプローチするとスキルの全体像を見渡すことができ、自分に必要なスキルが絞り込めてきます。

  • 汎用的・基本的:思考、コミュニケーション、リーダーシップ、問題解決、危機管理、異文化理解など
  • 限定的・専門的:グローバルコミュニケーション、プロジェクトマネジメント、分析、交渉、人材育成など。

ではなぜ「思考スキル」が大事なのでしょうか?それは汎用的・基本的スキルの中でも特に基本となるスキルだからです。人材に求められるスキルが人間理解やコミュニケーションを核とした「ソーシャルインテリジェンス」系へシフトしている中、必要とされるスキルは「思考」を基本とするスキルが多いです。 「2030年に必要とされるスキル」で一位になった「戦略的学習能力」や上位にランクしている心理学、哲学などは思考スキルですね。また、思考は各スキルのベースになるので、他の汎用的スキルと合わせて問題解決思考、論理的思考などと呼ばれ、思考はスキルには切り離ないものであるとわかります。

汎用的・基本的スキルである「思考スキル(思考能力)」についてはこのブログで色々書いていますが、「まず考えるクセ」を付けることが大事です。このスキルはバランスよく鍛えるには時間がかかりそう、というか一生かけて学んでいくスキルですね。自分がキチンと思考できているかはなかなか判断も難しいですが、「思考は現実化する」というコンセプトでは「自分が変わって来たかな」と感じることができれば、思考スキルが身に付きつつあると考えてもいいかもしれません。

だれもが既にやっている「考える」スキル-フェミル推定

では限定的・専門的なスキルはどうでしょうか。これらはある特定の目的を達成したり、問題を解決する思考ですね。スキルよってはそのコンセプトを押さえるだけですぐ習得することができます。これは物の考え方というフレームワークを使うことで、 効果的にスキルを実行できるからです。

「フェルミ推定」は日ごろから私達が無意識によく使う思考です。「十分な情報がない時に、今ある情報や入手可能な情報で概算・推定する」スキルです。例えば「このコンビの一ヶ月の売り上げは?」があります。コンビニに時々行く人であれば、1ヵ月の売り上げは【1時間の客数】×【平均的買い物金額】×【営業時間】×【営業日数】ですね。まず前提条件を立てます。15分で10人来客(1時間で40人)、1人800円の買い物、営業時間16時間、営業日数30日とします。40人×800円×18時間=576,000円ですね。さて合っているでしょうか。1日のコンビの売り上げ平均は40万~50万なので結構近い数字がでました。

このスキルはビジネスではもう少しスケールの大きいもの、例えばマーケット規模の推定等に使われます。このようなビジネスケースの場合は範囲が大きいので、基本的な情報は事前に入手しておく必要があります。例えば「日本の飲料自動販売機の設置数」という設問の場合には、日本の面積などの指標を押さえておく必要があります。では前提条件を設定します。調べると日本の居住面積は約100,000K㎡、日本の70%は山地であることから、自動販売機を設置できる面積を30%とします。私が住んでいる町を平均にすると1K㎡あたり10台ぐらいあります。よって【100,000K㎡】×【30%】×【10台】=300,000台とでました。答えは・・・2,400,000台!、うーむ、桁が一つ違いますね。ここで大きな差の原因となっているのがMESE(もれなくダブりなく)ですね。私の前提条件は路上設置の飲料自動販売機のみを想定していましたが、会社やいろんな施設に自動販売機は設置されており、そちらの台数が路上設置よりもかなり多いことが考えられます。「自動販売機の数」のような有名な指標はすぐに回答が見つかりますので、答えのある設問についてまず自分でフェルミ推定をし、答え合わせをしていくと上達しますし、MESEな思考も鍛えられていくと思います。このスキルのポイントは「既にある、または入手可能なデータでMESEを意識して概算・推定する」ことになります。私も頑張ります。

まとめ-「考える体質」へ体質改善

よく「一瞬でわかる」というような動画が多く人気を集めていますが、学んですぐに役立つスキルというものはそうそうはありません。ただし、今回紹介したスキルは「思考法」なので、すぐに使うことができます。日常的・常識的に自分であれこれ考えていることを、もったいぶったネーミングでビジネススキルとして表現しているだけです。GLOBISの講座で「ZOPAとBATANA」とういう講座がありましたが、結局は「相手と自分の期待をふまえて考え交渉する」というスキルです。当たり前のスキルですね。ただこうした当たり前のことも「ZOPAとBATANA」のような名前を与えることで、思考スキルにラベリングしておくことができます。そうすることによりスキルが自分の思考にリンクし、色々なシーンに合わせてこれらのスキルを取り出すことができ、定着します。私も「フェルミ推定」という言葉は知らなかったのですが、この言葉を覚えたあと、「これをフェルミ推定で考えてみよう」と考える機会が多くなりました。

注意点としては、ビジネスレベルで複雑な問題を解くには感度のよい切り口(目の付け所)やMESEが大事ですので、日々このようなスキルを使い「思考する」習慣をつけることが大事です。前提条件が間違っている場合、いつまでたっても問題解決に至らないこともあります。そんな時は「自分はセンスがないな~」と思ってしまします。ただ、その過程も学習と考えて人に聞いたり、例題を自分でどんどん解いていくのが大切ですね。

今回紹介した「フェルミ推定」はまず「考える」という思考スキルの実践を習慣化するスキルとして紹介しました。「考える」ことを継続すると思考という行為が頭に定着し、その他のソーシャルインテリジェンス系スキルも習得しやすくなります。「考える」ことでロコグローバル人材に必要とされる「スキルを吸収しやすい体質」に体質改善していきましょう!

 

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