グローバル人材を目指す英語と思考のブログ

“ふつうの人”とグローバルをつなぐ英語と思考

置いてきぼりにならないために-身近な例で考える「多様な価値観」

このブログでは「多様な価値観」というキーワードが何度も出てきますが 、自分で書いていて宗教的だと思う時もあります(笑)。これには原体験があり、30年前の中国留学、アメリカでの10年ほどの滞在経験がベースになっています。その後、日本で仕事していると「中国人は・・・、アメリカ人は・・・」など比較的ネガティブなコメントを多く耳にしてきました。このことから多様な価値観を理解が相手の理解の第一ステップであると考えるようになったからです。

 

最近のインターナショナルスクールについての記事で、多くの学校が理念に「多様な価値観への関心・理解」を織り込んでいると書きました。ただし、「多様な価値観への関心や理解」と言っても、具体的にどういうことかすぐに説明はできないと思います。今回はそもそも多様な価値観とはどういった意味なのか、なぜ必要なのか、どのように日常に現れているのかについて考えてみます。多様な価値観の意味を理解し、日々のコミュニケーションや仕事に役立てていただければと思います。

 

多様な価値観とは?

「多様な価値観」には二つの意味があります。一つは「自分の価値観を理解する」ということ。もう一つが「多様な価値観対しての関心・理解」です。「自分の価値観」は自分が持っている人とは違う価値観です。これは自分が何を大切にして生きているか、行動をしているかです。「多様な価値観への関心・理解」は相手が持つ多様な価値観をリスペクトして受け入れることです。

 

多様な価値観への関心・理解がなぜ必要か?

「多様な価値観への関心・理解」を説明する前に、「自分自身の価値観」について押さえておきましょう。自分自身の価値観とは自分の内的動機、つまりどのようなことに対して充実感や喜び、関心を感じるかを洗い出し、そこから「自分は何を大切にしているか」を見つけることです。この点は過去の記事「やってみた-1on1のリアル」で語っていますので、興味がある方は参考にしてください。

www.beglobalperson.com

 

では、「多様な価値観対する関心と理解」についてです。まず自分で考えるという習慣をつけるために、問題分析の手法である「なぜなぜ分析」を使ってみましょう。問題や課題に対して5回「なぜ?」を繰り返すことで問題の本質に迫る問題解決手法です。

 

  1. なぜ多様な価値観への関心・理解が大事か? ⇒世の中には色々な価値観を持つ人が存在し、その価値観を理解し尊重するする必要がある。
  2. なぜ多様な価値観を尊重し理解する必要があるか? ⇒様々な価値観があることをベースにコミュニケーションや行動をしないと問題が発生する。
  3. なぜ問題が発生するか? ⇒他者や他の組織とのコミュニケーションがうまくいかなくなる。
  4. なぜコミュニケーションがうまくいかなくなることが問題か? ⇒多様な価値観という新しい枠組みで動いてる社会に順応できなくなる。
  5. なぜ新しい枠組みに順応をすることが必要か? ⇒新しい枠組みの中で動ける人材や組織が必要とされている。 

 

このことからも新しい世界・社会・組織に必要とされる人材になるために、多様な価値観に関心を寄せることが大事だということがわかります。

 

日常での「多様な価値観との遭遇」

「多様な価値観の理解・受入れ」については「ダイバーシティ&インクルージョン」というコンセプトで語られることが多いです。このコンセプトの全体像についての考え方や捉え方については過去の記事「みんなで考えるダイバーシティ&インクルージョン」で書いています。

www.beglobalperson.com

 

ここではもう少し身近な多様な価値観という点を考えてみたいと思います。 あえてステレオタイプな例です。

 

子供に対する夫婦の教育

日本の家庭の場合は往々にして母親に子供の教育の主導権があります。結果、塾を決めるのも母親で宿題を見るのも母親ということになります。塾の盛況をみると、母親の価値観としては「みなと同じように基本的勉強ができないと社会で生きていけない」という価値観がみれます。ただ父親の場合「学校の勉強をどれだけしても実社会ではあまり役に立たない」と思ったりすることも多く、「もっと別に学ぶべきことがあるのでは?」という価値観を持っているとします。この場合、父親が積極的に参画し、父親の実社会での経験を活かして幅広い教育を話し合うことで子供の教育がスムーズにいくかもしれません。

 

会社での残業について

そもそも定時後に電話をかけてくること自体私は嫌いですが、担当者がもう退社している場合、「もう帰っちゃったの?」的な反応があります。これは「仕事のことであればそれを最優先すべき」という価値観ですね。退社した人は例えば子供がいる場合、「仕事も大事だが子どもとの時間も大事」 という価値観で仕事をしてることになります。この場合も「定時までが通常の仕事の時間」というカルチャーをつくることが大事になってきます。

 

グローバルの価値観-注意すべき「かまってちゃん状態」

よく「海外本社との価値観のすり合わせができていない」という意見がありますが、正確には「共通する価値観は存在するが(会社方針としての価値観)、価値観の違いは厳然として存在する」のであり、この点を理解する必要があります。よくあるのが「これだけ日本で苦労しているから海外本社も察しろよ」的な意見ですが、海外本社からすれば「困った状況をわかるように説明してもらわないと分かりようがない」となります。自分たちが感じてる事がそのまま海外に伝わることはないこと、また会社の場合は当然立場の強い弱いがありますので、これら点を理解して「かまってちゃん」にならないようにすることが大事です。

 

まとめ-多様な価値観に触れるために気を付けたい3つのこと 

1.多様な価値観について自問自答する

毎日と言っていいほど遭遇する価値観の違いに対して敏感になる必要があると思います。夫婦や会社での会話などでも、「この人(またはこの組織)はどういう価値観のもとで動いているのだろう?」と考える必要があります。違う価値観に遭遇した場合は絶えず自問自答することですね。

 

2.違いに対する理解を促進する

基本的なアプローチは「違いに対しての拒否感やバイアスを緩めてあげる」ことです。ここから「多様な価値観への関心・理解」が始まると思います。自分と違うものに対しての拒否反応を取り除くことで、異なる意見や価値観というものが受け入れやすくなります。国の違い、文化の違い、 宗教の違い、コミュニケーションスタイルの違いを理解することなどが挙げられます。

 

3.立場の強弱はリアルに存在する

また、次に大事なのは多様性が大事とはいえ、マジョリティではない場合は何かと不満は残るのは当然です。自分がマイノリティで差別されているという感覚にとらわれ過ぎると、自分の中でバイアスが育ち、逆差別になる可能性も大いにあります。例えばアメリカに対しては、多くの人は日本人に対しては友好的だと思っていますが、日本は多くある国の中の一つです。この現実を忘れ自分中心で考えると、「相手が自分の価値観を理解してくれない」という不満が続く可能性もあります。

 

「多様な価値観への関心・理解」への入り口は文化やコミュニケーションスタイル、歴史などリベラルアーツ系の勉強からですね。上記1~3を身につけるためには哲学、歴史や文化に触れ、その背景にある違いを考えることからは始めるのもいいですね。