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カルチャーショック免疫を上げる-「違い」を受け入れて楽になる話

前回の記事で多様な価値観、つまり「それぞれの人や組織が何を大切にして行動をしているか」について身近な例で考えてみました。また、多様な価値観を理解するコツとして「1. 多様な価値観について自問自答する」、「2. 違いに対する理解を促進する」、「3. 立場の強弱はリアルに存在する」の3点をあげました。ただ、「じゃ、具体的にどうすればいいの?」と疑問に思う方も多いと思います。

 

そこで今回は単純に「違い」という点から考えてみたいと思います。「多様な価値観」という一見高尚な言葉は、簡単に言えば「違い」を受け入れることです。「違い」に遭遇した時には当然ながらストレスが発生します。このストレスをうまく回避・処理することで「違い」をスムーズに受け入れることができ、多様な価値観の理解にも繋がります。また、日々のコミュニケーションや発想の転換、キャリアパスや人間関係の向上にも役立つ万能薬です。

 

 

違いとは「日々起こるカルチャーショック」

 

「違い」に遭遇した時の戸惑いを表す言葉に「カルチャーショック」があります。ちょっと懐かしい言葉ですね。カルチャーショックは「異文化に接した時に、その習慣や考え方の違いに衝撃を受ける」ことです。衝撃を受ける理由は今までの自分の常識と違うからであり、自分の常識が強ければ強いほど衝撃も強くなります。ここにその異文化に対しての憧れがあったりするとさらに衝撃も大きくなります。例えば「アメリカはリベラルな素晴らしい国だ」と渡米しても、礼儀正しくないカスタマーサービスや、アメリカ人が自分をフェアに扱ってくれないことに落胆を感じる人も多いでしょう。また、これは日本国内でも性別・年齢・地域(都会と地方)によって発生します。 

 

カルチャーショックのエピソード 

 

「 カルチャーショック」は特に海外に赴任したり、留学したりする時に強く感じることがあります。私が経験した典型的なカルチャーショックを紹介したいと思います。

  • 30年前の中国の「バスに乗れないおじいさん」:当時では名物シーンでしたが、バスに乗車する時に人が群がり、老人をを引きずり降ろして乗車しようとしている人や、電車のチケット売り場で横入りで券を買おうとする人が非常に多く、ショックを受けました。今思うとその当時は「そうしないといつまでたっても乗れない」というリソース不足の社会があのような行動を起こさせたと考えられます。個人で会った中国の方々は皆優しい人でした。
  • 「日本にイチゴはあるか?」:20代ぐらいのアメリカ人の大学院生から聞かれました。彼は当たりのソフトなジェントルマンで、気を使って私に話してくれたのですが、「日本にイチゴはある?」という質問に戸惑い、 ”Yes" としか言えずず、それ以上会話を展開することができませんでした。やはりアメリカから見ると日本は(知らなくても困らない国」かなと感じました。アメリカは全てが国内で完結できるので当たり前ですね。
  • "Help yoursefl" :アメリカで何度も経験しましたが、飲み物などで “Help yourself(ご自分でお好きにどうぞ)」と言われて手が出せず、結局飲みたいものが飲めない、 食べたい物が食べれないということがありました。

 

カルチャーショックに対する「免疫」を上げるコツ

 

ではこのようなカルチャーショックについてどう対処すれば「違い」に対する免疫・耐性ができるか考えてみましょう。カルチャーショックと言っても考え方、行動様式、嗜好などいろいろありますので、四つに分けて考えてみました。

  • 考え方:相手にとっては当然のことですので、違和感や拒否感が生まれてくるタイミングで間髪いれずに、「なるほど」と相槌を打つのがおすすめです。「なるほど」というマジックワードを使って「なるほど、この人はそう考えているんだ、興味深いね」と考えてみると良いでしょう。そうすると相手も自分の話も聞いてくれます。「なるほど」は英語では ”I see”, “I got it”, “Yes” などですね。
  • 行動様式:その国の慣習を文化や歴史を通して学ぶことは重要ですね。アメリカと日本の違いでよく言われるのは「間違い・前言撤回」に対する姿勢です。アメリカでは間違いだろうが、いまいちな意見であろうがどんどん発言します。 前言撤回もよくあり、「事情が変わったから当たり前」という前提でどんどん先に進んでいきます。言葉に責任を持つという意味がかなり違い、日本人はその感覚に疲れてしまう人も多くいます。
  • 嗜好:これはまさに人それぞれですので、その良いところを聞いてみると理解が深まります。食べ物はその典型ですね。アメリカであれば「リコリス(Licorice)という草の根から作った黒いグミのようなお菓子があります。海外からのお土産にもらった方もいるかもしれませんが、かなり独特な味です。私は好きですが、さすがにあえては買いません(笑)。海外ものを扱うスーパーで売っていると思いますので、買ってみてカルチャーショックを体験をしてみましょう!ちなみにアメリカで好き嫌いのある子供にトライさせる時に “taste like chicken” (鶏肉みたいだから食べてごらん) と言います。
  • その他:話題によってはさらっと受け流すことも必要ですね。センシティブな話題はまず聞くことに徹して、タイミング見てうまくはぐらかすことも必要かもしれません。以前、中国人の年配の方が日本の過去の戦争について話しかけてきましたが、このような政治的な話題にはならないようにすることも大事です。そこに30代の中国人の方もいましたが、彼は昔の戦争の話は関係ないとコメントしていました。

 

「違いを受け入れる」から「多様な価値観を受入れる」への転換

 

毎日は大小のカルチャーショックの連続であると考えてもいいぐらいです。「違い」を時にはさらっと受け入れて流し、時には理解を積極的に示すことが大事です。また、違いを受け入れることは、(相手はそう思ってなくても)相手の承認欲求を満たすことにもなります。ほとんどの人が抱える問題は人間関係によるものであると「嫌われる勇気」で有名なアドラーは述べていますが、人間関係の基本であるコミュニケーションにおいて相手を認めることは重要ですね。相手が受け入れられたと感じたら、 そこに「返報性」という「相手のことも受け入れてあげよう」という気持ちが生まれます。このことを意識して実践していくと、「そういえばこの頃あまり人とぶつからないな、イライラしないな」と 気づくかもしれません。

 

また「違い」を深く掘り下げることで、今までにない気づきを得ることができます。例えばアメリカ の大学では特にアメリカ人の学生達が廊下に座り込んだり、時には寝そべったりして勉強をしています。日本では勉強は机に座ってするのが当たり前です。しかしアメリカ人からすれば勉強には違いなく、スキマ時間をうまく利用して勉強していることになります。このことから結果が出れば OK という考えが生まれ、スキマ時間にどのような場所でも勉強ができるようになるかもしれません。

 

このように「違いを理解する」 ことから始めるのは簡単に実践できますので、毎日の思考やコミュニケーションの基本として実践することが大事ですね。これであなたもロコグローバル人材の一員として一歩を踏み出したことになります!

 

余談ですが、カルチャーショックと言うとネガティブなイメージが多いですが、アメリカで体験した良いカルチャーショックは「注文した料理が全員分同じタイミングで出てくる」ことですね。日本でもそのほうがいいと思いますが、日本人はせっかちな民族性なのでしょうか。不思議です。