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エグゼクティブサマリーみにる「効果的レポート術」

「エグゼクティブサマリー」”Executive Summary” は日本では「事業計画書」と呼ばれることが多いレポート形式です。目的は ビジネスプランやプロジェクトについて投資家やマネジメント層(経営層)へ「判断に必要な情報(要点)」を報告するためです。 情報量の多い投資案件や大規模プロジェクトなどの報告書の冒頭に位置し、このサマリーを読めば意思決定者達が「どの様な判断をすればよいのか」のおおよその検討がつくように作成されます。

 

普通の会社員であれば投資案件や事業計画書などはあまり書く機会はないですが、エグゼクティブサマリーの手法は一般的なレポートや企画書などにも応用でき、考えををまとめる練習にもなります。ビジネスでは相手に分かる形で情報を共有し、意思決定を仰ぐケースはどの職責でも避けては通れません。また、テレワーク推進やグローバル化に伴い、ポイントを押さえて簡潔に報告する必要性がますます高まってきています。今回は事業計画のような大げさなものではなく、エグゼクティブサマリーの手法を日常レベルのレポートに取り入れる方法ついて紹介しす。


なぜエグゼクティブサマリー的手法が必要か?-3つのポイント


ではなぜこの手法が日頃のレポーティングに役に立つかを三つの点から解説します。

1.頭を整理し、ポイントを抑えて書く練習になる:日報やメールなどの日常的な報告などは、ついつい勢いに任せて書きがちです。そんな場合はエグゼクティブサマリーの手法を応用することでコンサイスに要点を伝えることができます。結果的にレポートも早く書くことができるようになり、時間も節約できます。さらに報告される側の時間も浪費することなく、信頼も高くなります。

2.今後の社会に必要になる:テレワークの増加とグローバル化に伴い、ますますナレーティブ形式(記述式)の重要性が増していきます。その場合、日本特有の「察する・文脈を読む」コミュニケーションでは難しくなります。エグゼクティブサマリーは「事情に疎い人に伝える」コミュニケーション手法なので、このフォーマットを使うことでグローバル目線でのレポートを書くことができます。

3.今後のキャリアアップにつながる:「自分は事業計画や大きなプロジェクトなんて関係ない」と考えると、自分でリミットをかけてしまいます。日常のレポートを会社の事業計画を伝える感覚で書いてみることで「筋道だった考え方」ができるようになり、「報告が上手い人材」として評価されます。また、いざという時に自信を持って企画や提案を書き上げることができるはずです。

 

エグゼクティブサマリー的に書くために気を付ける4つのこと

 

1.エグゼクティブサマリーと ”Abstract”(要約)の違い:

エグゼクティブサマリーはそれ自体で意思決定者に「意思決定に必要な情報」を提供するものです。 一方、要約は全体の内容を簡単にまとめたもので、「全体像の説明」を目的としています。


2.スタンドアローンなセクション:

本来のエグゼクティブサマリーは膨大な情報をポイントを絞ってまとめてありますが、「このセクションを読むだけで、報告される側がなんらかの意思決定ができる」ようにデザインされます。 “Stand Alone” は元の意味は「孤立する」ですが、この場合「単独で意味を成す」になります。


3.わかりやすく書く :

シンプルに書く必要があります。特に専門用語を避ける必要があります。 「専門用語、隠語」は英語では“Jargon”、”Terminology” です。


4.相手の視点に合わせる:

グローバル向けのエグゼクティブサマリーはナレーティブ形式(記述式)で書かれる傾向にあります。 日本では箇条書きや図解を多用したりして視覚的に訴えるものが多いですが、グローバル企業では記述式で書いてあることが多いです。 Amazonでの会議はパワーポイント禁止で、記述形式で資料が作成されます。視覚による印象よりは文脈を重視し、提案者に理解してもらおうというトレンドが見受けられます。

 

汎用的レポートとしてのエグゼクティブサマリーの書き方

 

次にエグゼクティブサマリー的なレポート作成の基本ステップを紹介します。日常的なレポートであれば エグゼクティブサマリーの手法を使ってコンサイスに作成することができます。


目的:

このレポートをなぜ作成したかを説明する必要があります。直接レポートする上司は背景については知っていると思いますが、上司がさらに上のマネジメントへそのまま報告できるような内容にしておくと良いでしょう。


スコープ:

前提と範囲を決めることは大事です。会社全体の話なのか、自分の部署のオペレーションなのか 、財務的観点か組織の運用的視点からかなど、誤解を避けるために範囲や切り口を明確にしておく必要があります。


発見:

この部分では何らかの新しい発見を説明することになりますので、良い事なのか悪いことなのかをはっきり書く必要があります。


提案と正当化:

何らかの提案がないとレポートの意義がありません。提案を正当化できる情報を提供し、マネジメントに何らかの意思決定を促すように締めくくるといいですね。

 

まとめ-自分も相手も楽になる効率的レポートを目指す

一般的エグゼクティブサマリーはボリュームのある報告書の要点を絞って説明するレポートですが、日常的なレポートの手法を使うことで自分の頭を整理しながら効率的に用件を伝えることができます。

当たり前ですが、直属の上司やマネジメントは自分より会社の状態を客観的に見ています。よって現場の詳細を正確に理解しているわけでもなく、リアルな苦労していることに対しては同情心もあまり期待できません(身が持たない)。この点も踏まえて要点を簡潔に示し、マネジメント層に素早く理解してもらう必要があります。
面倒なレポートもこう考えると自分の思考を整理し、効果的なレポートを書く良い機会と捉えることができます。義務的に出さなければいけない日報などは消耗する作業ですが、どんなレポーティングでも自分を成長させる作業の積み上げと考え、エグゼクティブサマリー的な手法を取り入れてみましょう。自分なりの定番のパターンができればレポートもずいぶん楽になります。また、いつか重役たちに事業計画を報告する日がくるかもしれませんしね。”You never know”(誰にもわからない)ですね。