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不満で毎日を終えないために-成長につながる二つの理論

我々「普通の人」にとって人生に不安はつきもので、その不満とどう向き合っていくかが人生のクオリティを左右します。
不満があるのは悪いことではないですが、あまり不満(や不安)に囚われてしまうこと、人生や毎日が不満モードに染められがちですね。
仕事が終わった後、「あれもできなかった」とか「あんなことを言われた」とネガティブな気持ちで終わってしまいます。


不満を多く抱えたまま漠然と過ごしたくはありませんね。この点を改善する為に「不満がどこから来るのか、どのように対処したらいいのか」について考えてみたいと思います。


今回はよく知られている古典的な二つの理論、マズローの「自己実現理論」とハーズバーグの「二要因理論」で「不満」を整理してみます。
整理することでその不満がコントロールできるものか、できないものかを判断し、解決策の糸口がつかめるはずです。


職場の不満-思考停止では何も解決しない

特に会社という組織では、自分の思う通りにならないことが多く、我慢の連続ですね。
現場レベルではやはり「人間関係の悩み」が多いです。「嫌われる勇気」で有名になったアドラーも「 全ての悩みは人間関係から」と言っています。
会社全体では「会社方針や戦略についての不満」が多くみられます。現場で右往左往する我々にとってその気持ちはよくわかります。

このようなあたり前な問題の解決は難しく、なんとか対処療法で日々過ごしているのが実情でしょう。

不満の裏には「会社に明るい未来があり、自分の雇用も守られ、自分が価値のある人間として働きたい 」というまっとうな思いがあると思います。
ただ、そのような会社や環境はなかなか普通のビジネスマンには手に入りづらいことが問題です。

この問題に対し、即効的解決策はなかなかないのですが、マインドセットや問題解決志向で解決策を探ることが可能になります。怖いのは不満に対し「何の行動も起こしてないという思考停止状態」ですね、「一体全体どうすればいいんですか!?」で終わってしまうと何も進みません。


「不満」を整理するためのツール

ここで登場するのがマズローの「自己実現理論」とハーズバーグの「二要因理論」です。どちらも有名な理論で、わかりやすい内容です。


マズローの「自己実現理論」
「人間は自己実現を求める生き物で、基本的な欲求から高いレベルの要求まで5段階ある」という理論です。
一番低レベルの要求は 「生理的欲求」、つまり食事や睡眠などの基本的な欲求があります。この欲求が満たされると次のレベルの要求が生まれます。最終的な欲求は「自己実現欲求」となります。


ハーズバーグの「二要因理論」
「職場における不満や動機づけがどのような要因から生まれているかは、衛生要因(不満につながる)と動機付け要因(不満にはつながらないが、充実につながる)に分かれる」という理論です。
「衛生要因」は会社の方針、給与、安全など基本的に満たされるべき内容です。「動機付け要因」は承認、昇進、やりがいなどです。


この二つの理論の関連性については下記のような関連付けが一般的です。

 

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では、実際のビジネスシーンでどう問題を整理していくかを考えてみましょう。


ステップ①ー不満の要因


まず二つの理論についてもう少し具体的にみてみましょう。


マズローの「自己実現理論」
1.生理的:本来は人間の最大欲求の睡眠や食欲ですので、ビジネスにおいてはこれは無視できる範囲(あくまで仕事がある人にとって)です。
2.安全的:労災を発生させない職場環境の安全性や雇用の確保の安全性があります。定年後の扱われ方がヒドイ、職場環境が危険、汚いなどです。
3.社会的:帰属意識です。多くの人が会社に入ることで無意識的にも帰属意識が満たされていると思われます。
4.承認:帰属意識よりは上位の欲求となり、いわゆる「自分が認められたい」という欲求ですね。上司や同僚部下を含めた相互承認の欲求ですね。
5.自己実現: 自分が何のために仕事をしているか?自分が仕事を通して自分のありたい姿に近づいているか?という欲求です。


ハーズバーグの「二要因理論」
ここでは主な要因を挙げたいと思います。
1.動機付け要因
達成:プロジェクトなど仕事自体を達成できたという満足感です。仕事をしている以上、達成感を味わえると思いますが、ルーチンや実務ばかりだとモチベーションもさがります。
承認: 仕事を達成した結果、お客さんや会社の人に 認めてもらうことですね。マズローの「承認欲求」と同じです。
やりがい:仕事自体の面白さですが、会社や社会への貢献度も含まれます。毎日同じことの繰り返しでなんとなく不満と感じている方も多いと思います。
成長:自分が仕事を通してビジネスマンとしてまたは人間として成長できているかです。


2.衛生要因
会社の方針: 会社の価値感や戦略に対する共感があるかです。会社のホームページに掲載されている価値観と違っていたりすると不満になります。あからさまに株主最優先などの活動がみてとれると不満になります。
人間関係:上司、同僚、部下との人間関係は悩みの多くを占めるでしょう。コミュニケーションで不快な思いをしたり、仕事の成果や大変さをわかってくれないという承認欲求です。

労働条件や環境:サービス残業や福利厚生など。ブラックでは企業はこのあたりが不満が多いでしょう。


ステップ②ー不満と動機付けの整理 


二つの理論をベースに、現実的な不満の出所は下記の3つに仕分けることができるでしょう。


1.基本的に満たされるべきもの:労働環境、福利厚生
2.上位要因と下位要因が紐づいているもの:承認、人間関係
3.自分自身のマインドによるもの:自己実現、成長、やりがい


ステップ③-仕分け別に解決策を考える


では次にこれらの要因について具体的にどのような解決策が可能か考えてみましょう。


1.基本的に満たされるべきもの:労働環境、福利厚生


職場の環境が安全でなかったり残業がつかないなどのケースでは、早急に転職などをして解決する必要があります。私の会社に面接にくる方の多くもサービスを含め残業が多いという方がかなり多いです。


2.上位要因と下位要因が紐づいているもの:承認、人間関係


「承認欲求」を満足させるのは難しいですね。コントロールできるもの(自分)とコントロールできないもの(他者)があるからです。自分の承認欲求がどのような性質のものか考えたり、どのような関係を築きたいか考えることで、自分はコントロールできます。ここで大切になのが、「自分の価値観で判断していないか?」です。「多様な価値観」を前提としてコミュニケーション等を考えてみましょう。

コントロールできない他者を想定した上で対策を練ることも大事です。相手を変えようとコントロールに注意が向きすぎると「策士策に溺れる」というような形になってしまいます。

また、「承認欲求自体が目的になっていないか?」は不満を整理する上で重要なポイントです。


3.自分自身のマインドによるもの:会社方針、自己実現、成長


「会社の方針や戦略」に直接影響を与えることは、中堅管理職や非管理職の従業員には難しいですし、転職しても転職先がバラ色とは限りません。

会社の方針に対し、自分が何をできるか考える習慣をもつことが一番大切ですね。

「自己実現」については、あくまで今の現実的環境下での自己実現にフォーカスすることでこの難しい命題に悩まなくても済みます。その時に自分の価値観について「どんなことに満足感を感じるか」を考えてみるといいでしょう。

「成長の機会」については「キャリアップの機会がない」と思うなら、「会社で与えられないとできないことなのか?」を考える必要があります。継続的に業務改善等を提案するなど、自分の成長もかねていろいろな建設的なことができます。


まとめ-「不満」をモチベーションに変える


マズローとハーズバーグの理論の観点からビジネスにおける不満というものを整理してきました。この二つの理論を使うことで、自分の不満がどのような要因で発生しているか整理できたと思います。


対策としてはマインドセットで多くの不満を軽減することができるため、「結局いつもマインドセット?」と思われるかもしれませんが、ビジネスシーンでは不満は「マインドセット、つまり物事に対する認識」で変わる場合が多いですね。もし、下位に位置する衛生要因(労働環境・福利厚生)などが不満の多くを占めているのであれば、 転職などを検討した方が良いでしょう。


不満の多くが承認欲求なのであれば、要因は複雑に絡み合っています。コントロールできるもの(自分自身)とできないもの(他人)に分けて価値観を整理し、アプローチを考えるべきです。承認欲求は高次元ではあるが、不満につながりやすい衛生要因として挙げられている通り、重要な要因ですね。


なかなか直接コントロールできない「会社方針」などに対しては、マインドセットで認識を新たにし、現在の環境を最大限に利用し、自己実現や自己の成長を目指すと良いでしょう。また、なんとなく正論で「会社の方針が悪い」とそっぽを向くのは他責マインドを自分に植え付けてしまいます。ただ、「肌で感じる会社方針がブラックな場合」は転職等も検討必要ですね。

また、帰属意識についても「無意識に帰属意識があり、立場は野党」の場合は問題です。自分が帰属しているのに、一員として責任を認識していないので、会社方針に文句ばかり言うのは手落ちです。


日々の仕事を現状維持するのだけでも結構パワーが必要なので、安定的に業務が動いてる場合は変化を嫌います。しかし、トライ&エラーを繰り返して、自分やチームを刺激し、成長することはビジネスパーソンに必要なことですね。


マズローやハーズバーグの理論は古典的ではありますが、これらのアプローチを参考にして、自分の不満を整理し、上位レベルである自己実現や自分や他者の成長をうながしていきましょう!