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あなたのチームに意図は伝わっている?- 「愕然とした話」

「愕然とする」 という表現がありますが、最近愕然としたことがありました。

それは「チーム内での意思疎通」に関する話です。

 

愕然とした理由は「チームで進めているプロジェクトの理由を、その主なきっかけとなった一人の社員がまったく気付いていなかった」からです。

 

今回は、なぜこのプロジェクトの意図が通じていなかったかを振り返り、チーム内のコミュニケーションで注意すべきポイントについて考えてみました。「愕然とした」理由は、この社員の回答自体よりも、自分が長い間時間をかけて方向性をシェアしてきたつもりだが、本質が通じていなかったという点でした。ビジネスシーンではよくある問題と思います。チーム内のコミュニケーションの改善の参考にしていただければと思います。

 

 

伝わっていなかった意図

このプロジェクトは派遣社員の入れ替えなども伴い、リスクが高く、他の社員にも負荷がかかるプロジェクトで、長期に渡りなかなかうまくいきませんでした。

 

このプロジェクトの最も大きな目的の一つは「多様性のある働き方を維持し、業務の安定化を実現する」という点です。この社員の方は長期離脱した後、復帰したのですが、その後も長期的に制限のある働き方を継続する必要があるからです。

 

もっと本音で言えば、それによって大変になるその人も含めた個人個人のためです。復帰した社員は制限のある中で働かなければいけないし、後ろめたさもある。サポートする社員は業務が増え、責任も増える、また別の入って間もない社員は超特急での業務取得を期待される、などなど問題は多くあります。チーム全体にも疲労感や先の見えない不安がみえてきます。

 

そんな中、多くの労力を費やし、最近やっとこのプロジェクトを完了できる見込みがでてきました。

 

しかし、その社員の方は仕事ばかり増えるので腑に落ちない様子であり、派遣社員の入れ替えについても「なぜ今こんなことをするのか・・・」と疑問があるとの声も聞こえてきました。

 

私はちょっと驚き、1on1 ミーティングで単刀直入に、このプロジェクトの意図をどう理解しているか聞いてみました。回答は「**さんのパフォーマンスがチームリーダーの期待に達していなからですよね」という回答でした。

 

意図が伝わっていなかった原因

最も大きな原因は「このプロジェクトの理由についてのそれぞれの思い込み」が原因です。

 

小さいチームでもそれぞれの仕事に対する価値観は違いますので、期待値も違ってきます。 しかし、多くの場合、はっきりと真意を伝えていなくても、自分に都合のいいように理解をしがちです。

 

上司としての私は「これだけミーティング等で情報共有もしているし、自分がチームマネジメントで大変なのは分かってくれているだろう」というマインドになっていました。また、 その社員があまり後ろめたい気持ちを抱かないように、プロジェクト との直接的な因果関係の説明は避けていました。

 

一方で部下の方は「これだけ無理をして働いているから、これ以上できないのは分かってくれるだろう」という気持ちや、「チームビルディングはリーダー以上の仕事で、私には関係のない話」 という気持ちが働いていることは、1on1 ミーティングを通しても十分に伝わってきていました。

 

この認識のずれは当然チームの共通認識に悪影響を及ぼします。

 

どう意図を伝えるべきか

プロジェクトの意図を語ってもらう

最初にプロジェクトの背景や意図をロジカルに説明し、その意図を自分の言葉で語ってもらうのが効果的です。自分の言葉で語るということで理解も深まります。ただし、 従業員がこのような手法に慣れていないと、とってつけたような説明になるので、 その点は一度で分かってもらおうとせず、教育をしつつ、我慢強く進めていくことが大事です。

 

キャリアプランにライフプランを含める

キャリアプランの話の時に、プライベートなライフプランも含めて話し合うことです。最近は「キャリアプランとライフプランは別」という風潮ですが、会社の存在は人生設計に大きくかかわってきます。例えばチームの中長期的目標やイベントを共有し、メンバーのベストな働き方について話をすることで、お互いの理解が得られます。 

 

他者の目線でコミュニケーションをとる

自分の目線でだけなく、上司、同僚、部下の目線で通信できるアンテナを立てておくことが大事です。例えば「このプロジェクトは自分の上司にはどのような意図があるか?」、「自分にとってどういう意味、つながりがあるか?」を考え、それぞれの立場の情報を受信できるようにマインドをセットしておくことです。今回の場合では、上司である私は部下が違う理解をしているサインをキャッチする必要がありました。また、 部下の立場であれば、「私は関係ない」と通信を遮断するのではく、「どうしてこのようなバタバタが起きているか?上司の意図は何か」を考える必要がありました。結局はお互いにこの世界で自分が支え支えられつつ生きていることを理解する必要があります。

 

まとめ-意図のアラインメントとメンテナンス

今回の件は、自分自身では公正明大なお題目のつもりでも、実際に割を食う人達には「業務が増えただけ」と思われている可能性を理解しているつもりで、理解をおろそかにしていました。

 

それは今回の件がプライベートな環境変化に原因があるため、プロジェクトの本来の意図を率直に説明し、理解してもらうことを躊躇していたためです。

 

そこで必要になってくるのが、まずチームの目標やプロジェクトについて率直に話し、相手の言葉で理解してもらうことです。ずいぶん前ですが、私の上司が海外から来た彼の上司に「私(上司の上司)が来た理由は、あなたにこのプロジェクトの必要性を理解してもらうためです」と言われたという話を聞きましたが、 このスタンスは大事です。

 

次にキャリアプランとライフプランを一緒に話せる環境を整備することです。プライベートなことも話さなければいけない訳を理解してもらうことで、キャリアプランとライフプランのアライメントをとることができます。仕事と完全に切り離した人生設計は現実的ではありませんね。

 

最後にチーム全員のアンテナを全方向で通信可能にしておくことです。相手がどのような意図を持って行動・発言しているかを、相手の目線で考える癖をつけることは大事です。インターネットでは通信障害が起きると大騒ぎになりますが、チームの通信障害はなかな気づくことができず、静かに進行し、大きな問題になることもあります。

 

チーム内でうまく意思疎通がきちんとできていると、チームがひとつの生命体のように目標に向かって動き出します。今回はあらてめて日頃からチーム内での意思疎通をメンテして、一つの生命体のように育てていく大事さを感じました。