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増え続ける仕事の処方箋-Job Description

仕事は栄養を与えなくてもどんどん増えます。私の部署も仕事は増えるが人数は同じ、という日々です。

仕事が増える理由は色々あります、その多くはプロジェクトや社内関係者からの追加の業務です。

特に追加の仕事依頼を断れないと、仕事量は青天井で増えていきます。 一方で、社内関係者から「この仕事をやめていいですよ」というような依頼はまず来ませんね。

仕事をどんどん引き受けていくと、依頼を受けることに疑問を感じなくなり、ルーチンで謀殺され、真綿で首を絞められるように自分もチームもツラくなっていきます。

最近、私のチームに追加業務の依頼がきたのですが、 これ以上の追加業務は無理と思い私のインド人上司に相談しました。

結果的に「その仕事は我々の仕事の範疇であるが、すでに度重なる要求に答えており、これ以上の追加は無理」であり、この依頼には対応しない方向で調整するという方針で合意することができました。

この時に役立ったのがジョブディスクリプションです。

今回は「広がり続ける業務をジョブディスクリプションを使って整理する」方法を考えてみました。「依頼を断れずに仕事がどんどん増える」、「業務内容が多岐に渡り整理が難しい」という方の参考にしていただければ嬉しいです。

ジョブディスクリプションとは?-職務の目的・責任・資格

端的にいえばジョブディスクリプションは「自分が会社でどのような仕事をすべきかを規定した文書」です。日本語では「職務記述書」と訳されることが多いようですが、外資系であればそのまま ”Job Description” です。略は ”JD” です(以下 ”JD” と記載します)。

主に欧米で使われている文書ですので、ジョブ型雇用(特定の仕事をしてもらうために人を採用する)を意識したものです。ポジション単位で規定されています。

内容はいろなバリエーションがありますか、基本的内容は下記の3点をカバーします。

 

目的:このポジションの(会社の運営上)の目的

責任・義務:業務内容、業務範囲、業務の実行責任・義務

資格要件:必要とされる能力・スキル・経験

 

JDが業務整理に役立つ理由-客観的資料として

追加の業務の交渉のためのベースとなります。JDを理解しておけば、担当すべき業務、 担当するが制限をかけるべき業務、(本来は)担当しなくてもいい業務に大きく分けて、整理することができます

新しい仕事の依頼があった時、仕事が詳細になりすぎて工数が増加した時、追加のリソース(人員など)が必要な時などに、JDをベースに対応を検討できます。

また、JDを上司と合意しておけば、サポートを受ける場合もスムーズに話が進みます

結果的に本質的でない仕事を断ったり、客観的にチームの業務のデザインもできます。限定的なリソースでチームに求められている責任を果たすことはビジネスパーソンにとって大事ですね。

 

JDを使った合意の手順-JDがあるだけではダメ

JDがあり、自分で理解していてもそれだけでは片手落ちです。

大前提としてJDがフォーマルな文書でなくても、JDに関して上司と合意をとっておく必要があります。業務についての相談はJDをベースにして話します。

ここで重要なポイントは、業務には範囲は「広さ」だけでなく、「深さ」もあることです。「深さ」とは「自分の業務の範囲ではあるが、どこまでやるか」です。例えば自分の持つリソースでは実現が不可能な要求の場合、JDから外れることになります。 

この深さを理解していないと、いくら仕事の大変さを力説しても、「それはあなたの仕事ですよね」で終わってしまいます。 

 

その他気をつけること-JDに固執しすぎない

特に日本のビジネス文化では、依頼されたことは断りにくいです。JDはロジカルに作られているので、それをベースに仕事を断ったりする覚悟が必要になりますが、あまり冷徹にはならないようにしたいものです。

また、断るときもその事象を本質的に考えて、「どこまで真剣に向き合うか?」という対応レベルを決定する必要があります。どうでもいい依頼はほぼスルーも大事なスキルです。当ブログの記事「あなたの本当に戦うべき相手は? マインドセットの前に」 に問題と向き合うレベル感について書きましたので、参考にしていただければと思います。

最後にJDは確かにジョブ型雇用を向けに書かれていますが、「これだけやればいい」ということではありません。場合によっては範囲が拡大解釈されるような文言もはいっています(例:その他上司から指示された業務の遂行)。あまりJDに執着し過ぎず、時としてフレキシブルな対応が必要です。

www.beglobalperson.com

 

まとめ- JDを活用し、本来の仕事に集中する

JDは自分の仕事、チームの仕事の目的、責任範囲、資格要件を示すものです。

JDを作成しておくことで、自分の職務範囲が客観的に規定でき、頭の中を整理することができます。

また、上司など関係者と職務内容を合意することで、業務追加や廃止、調整の相談がスムーズにできます。特に海外に上司がいる場合、現場が見えないのでJDの合意は大切なポイントです。

このJDをベースにすれば、無尽蔵に増えていく仕事などに対し一貫した対応を取ることができます。依頼を断るにしても、その理由をロジカルに説明できます。相手が笑顔で分かってくれるかはまた別問題ですが。

長期的にみても、チームのメンバーや自分が「自分たちの本来の仕事は何か?」を考える習慣が生まれます。この習慣が生まれることで「本来すべき仕事」に集中できます。

注意点としてJDはスコープとして職務をカバーする「広さ」のみを規定するものと思いがちですが、「深さ」についても規定するものです。仕事を依頼する側は不思議と「これはあの部署の仕事だから依頼して当然」と思い込みがちです。自分自身も気を付けたい点です。

また、JDに書いてある業務だけやればいいわけではないことは理解しておく必要があります。

このようにJDは単なるお飾りのドキュメントではなく、日々の仕事をするためにも有効な文書です。みなさんも一度ご自身のJDをレビューしたり、作成したりすることをお勧めします。