ロコグローバルパーソン

“ふつうの人”とグローバルをつなぐ英語と思考

サプライチェーン鳥瞰のススメ-ビジネスの全体像を知る

「オペレーションとサプライチェーンの違い」、「オペレーション戦略」と記事を書いてきて、「では自分はどのようにサプライチェーンと付き合っていくか?」というお題が残りました。そして「ビジネスパーソンとしてサプライチェーンマネジメントを鳥瞰的(俯瞰的)に理解しておくことが今後のキャリア開発に役立つはず」という一つの結論に達しました。
というわけで今回は「ロコグローバルパーソンの目線」から、サプライチェーンに対する考え方、サプライチェーンの全体像についてまとめてみました。皆さんの参考にもなれば幸いです。

ロコグローバルパーソンとサプライチェーンの関係

サプライチェーンにおけるロコグローバルパーソン(日本にいながら世界で活躍する人材)目線とは?と問われれば、「サプライチェーン(以下”SC”)をどうつなぐか、デザインするか、導入するかという目線」という回答になります。言い方を変えれば、「エコシステム的に動いている得体のしれないグローバルマーケットの中で、日本にいながら世界と繋がるSCを設計し、導入する」です。また、これを実行することがサプライチェーンマネジメント(以下”SCM”)となります。
これらのコンセプトはあらゆる階層のビジネスパーソンにとって理解しておくべき内容と主張したいです。そのためにはSCやオペレーションを鳥瞰的(俯瞰的)に捉える必要があります

SCとオペレーションのおさらい

当ブログの記事「オペレーションとサプライチェーンとは?」でオペレーションは「企業活動全体」、サプライチェーンは「モノが製造され顧客に提供されるまでのプロセスを最適化する方法」と定義しました。ちょっとややこしいですが、オペレーションは企業経営全体のオペレーションと、それをモジュール化(構造化)したCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、SCM(需要予測、計画、製造、物流などのサプライチェーン・マネジメント)、調達、研究・開発、管理・スタッフ業務等の機能別オペレーションに分けられます。
SCの概念としてはこれらをつなぐシステムがSCであり、それを最適な状態で動かすことがSCMとなります。これが次の「ロコグローバルパーソン目線のSCM」を理解するベースとなります。

ロコグローバルパーソン目線のSCM

もう少し具体的に考えてみます。例えば外資企業が海外で製造した製品を日本で販売する場合、SCの要素として国内の需要予測、カスタマー管理、物流管理などが必要となります。次にこれらの機能と他の機能をつなぐSCMが必要になってきます。逆に国内で製造し、海外で販売する場合は国内の設計や製造と海外の需要予測、カスタマー管理、物流管理をつなぐSCMが必要となります。

つまり日本にいながら、グローバルレベルでSCMをどう繋いでいくかというデザイン能力が必要です。この能力をつけるにはロコグローバルパーソン目線でSCMを見る、つまりSCM全体を空から見るような目線が必要になってきます。

SCM鳥瞰に必要なもの

SCMの仕組みでキーワードになるのは「意思決定」と「投資とリターン」です。この部分がわかっていれば、SCの本質が分かったも同然です。どの様な意思決定を経てビジネスが成立しているのか、その仕組みを最適化するためにどの様な投資が必要で、その仕組みを通してどのようなリターンが期待されるかです。
基本的なビジネス経験があればどのモジュールでどのような意思決定がなされているかはある程度想像が付くと思います。ただ私もそうですが、どうしても自分の業務目線での意思決定になりがちなので注意が必要ですね。

 

例えば外資の場合、日本の需要予測の精度がどの国よりも高いが、供給問題が発生しているとします。その場合、「日本の需要予測の精度の高さは本社の意思決定に大きな影響を与えていない」と理解する必要があります。もしかしたら本社の意思決定は利益率により重きが置かれている可能性もあります。この場合、SCMとしては利益の出る仕組みに重点を置く必要がでてきます。
このように「意思決定がどのような投資とリターンを想定して実行されているか」を理解することは、SC設計、導入、改善をおこなう際の重要な手がかりになります

まとめ-SCを鳥瞰し、デザインし、繋ぐスキル

SCは製造から提供までのプロセスを最適化する方法や仕組みを表す言葉ですが、今日のSCは企業活動の連鎖そのものの仕組みを表すようになってきました。SCの定義がこのように包括的になると職位、職種にかかわらずビジネスの基本的知識として理解しておく必要があると思いました。SCを通じてどの様に意思決定がなされているかを理解し、それを業務に反映することが大事ですね。

 

また、今後の日本ではフルサプライチェーン、つまり需要計画、製造、調達、物流などを一社で設計し、導入することはなくなってくる、少なくともロコグローバルパーソンが生きていく世界では少なくなっていく気はします。そのような環境ではグローバル視点でSCをデザインする力が必要となってきます。私の元上司が「今後はサプライチェーンをデザインし、標準的な形で導入する力が求められる」と言っていました、できるだけ世界標準的な形でSCをデザインできる力が必要となりますね。

 

次に必要とされるのはSCを繋ぐ力です。企業活動がグローバルに拡大していく中、「すべて自分でコントロールするSCM」ではなく、各モジュールの不足する機能を補完しながら、全体をつなぐSCMが重要になってくると思います。モジュールがグローバルレベルで分散する場合、異質なモジュール同士をつなぐスキルも必要となってくるでしょう。

 

言葉はよく知られていいても、あまり表舞台に出てこないSCですが、SCMはグローバルビジネスで通用する「ロコグローバルパーソン」の必須のスキルと思われます。私も時代に合わせたSCを鳥瞰し、学び、サバイバルしていきたいと思います。

 

今回の記事は、私の元上司や同僚との話からヒントを得ました。また、「世界標準のSCM教本」(出版:日韓工業新聞社)という本も参考にしました。この本ではグローバルのSCMのコンセプトが上手くまとめられています。全体定期に教科書的ですが、SCMのコンセプトや構造の理解、俯瞰的視野を得ることに役立ちます。

4526081248

 

www.beglobalperson.com